<内容>
武道家の家に生まれ、体のでかさから目をつけられ、日々喧嘩に勤しむ中学三年の“おれ”はとある事件に巻き込まれる羽目となる。文学少年で日ごろおとなしい能登という同級生が古城をうろつきまわっていたのを目撃し、話をしてみると“宝探し”をしているのだという。女にもてる軽薄男の丹野と美少女の冬美らを巻き込み、四人は危険を承知で宝探しを始めることに。城の地下に降りた彼らの前に待つものは・・・・・・
<感想>
菊地秀行氏の作品を読むのは久しぶりのような気がする。昔は「吸血鬼ハンターD」「魔界都市新宿」「ドクターメフィスト」などなど、数多くの菊地氏の作品を読んでいたものだ。
そして久々に菊地氏が描く本に触れることになったのが、このミステリーランドによる「トレジャー・キャッスル」という本。どんな作品を描くのかと楽しみに読んでみたのだが・・・・・・かなり期待はずれな内容に。
というのも、登場人物らの設定にしても、宝探しにしても、城の歴史にしても全てが尻切れトンボで終わってしまっている。そして、驚くことに物語上に出てくる数多くの要素や脇役達が全くと言っていいほど内容にかみ合っていないのである。
読んでいるときはこれからどうなるのかと楽しみであったのだが、後半になるとそれらがどうにもならずに終わってしまっているところがなんとも悲しい。残念ながら菊地氏の描く作品の本領は子供向けではなかったということか。
<内容>
女子大生の「私」は奈良の東大寺二月堂で行われる豆まきに初参加することを決意する。そこで出会う、狐の面をつけた奇妙な男。「私」が奈良のさまざまな名所へと出かけるたびに、その狐の面の男と出会うこととなり・・・・・・
<感想>
とりあえず“メフィスト賞”ということで買ったのだが、恋愛小説には全く興味が持てないなぁ。まぁ、別にこの作品はミステリとうたっているようなところもなく、買う前から普通の小説なんだろうといのは、わかっていたので文句を言う気はさらさらないのだが。
普通の女子大生が奈良を歩きながら、場所や行事を紹介するという旅情小説のような内容。そうしたなかで、狐の面の男と出会い、なんとなく恋に落ちていくというもの。
あまりよくわからないのだが、恋愛小説というのは、だいたいがこのようにじれったいものなのだろうか。たぶん好きな人は好きなのだろう。ラストは思っていたような展開ではなく、やや以外。でもそれでいいのか? と頭をかかえたくなる。
<内容>
ライターの倉橋渡の妹がひき逃げにあった。犯人は捕まらず、妹は昏睡状態のまま。そんな時、妹がコンクールに応募したシナリオを採用したいという電話が倉橋のもとに。なんでも鳥を主題にした内容を気に入ったというのだ。そのシナリオに出てくるオウムにはモデルがいて、パルという名の人の言葉を理解して話すことができる天才オウムであった。オウムの存在があかるみに出始めたとき、その周囲の人々を巻き込む数々の事件が起きてゆき・・・・・・
<感想>
帯に本格推理小説と書いてあったのでこの北川氏の本を初めて買って読んでみたのだが、本格推理というよりはサスペンス・ミステリーといったほうがよい内容であったと思う。
どういったところがサスペンス・ミステリーなのかというと、謎がある時点で全て出揃うという構成がとられていないこと。物語が進むに連れて次々と新しい事件がおき、新たな謎が出てきて、そして少しずつ隠された事実が浮き彫りにされていくという構成になっている。ゆえに自分で推理をするとか、考えさせられるという内容ではなかった。
そしてその内容なのであるが、次から次へと新たな展開へと移り変わり、物語に落ち着きがなく、途中が少々わかりづらいように思えた。最終的には容疑者が二人に絞られてゆくのだが、結局のところどちらが犯人でもおかしくないように思われ、決定的なものが欠けていたという感じにとどまってしまった。複雑なプロットを練り、よくここまで一つの話にまとめあげたという反面、わかりやすさというものが欠けてしまった点は残念に思えた。口語が主体で読みやすさという点では申し分がなかったゆえに、決め手に欠けてしまったところは残念である。
さらにもうひとつ付け加えれば、主題と思われた“オウム”の存在感が途中でなくなってしまうのもいかがなものかと思われた。
<内容>
ナツキは中学生のころの輝かしい日々を思い出していた。ナツキの家族と、初恋の相手ヒロの家族と共に南の島で過ごした日々。あれから9年の月日が経ち、ナツキを取り巻く環境は一変していた。ナツキはあの頃の思い出に触れて過ごしたいと思い、単身南の島へと出向くのであったが・・・・・・
<感想>
この作品のように物語が良く出来てる内容のものに出会うと必ず思ってしまうのが、別にミステリ作品としなくてもよかったのではということ。私はミステリ作品以外はあまり読まないので、このように考えるのは矛盾が生じてしまうのだが、それだけ本書が人を惹きつける物語であったということなのである。
冒頭から物語に引き込まれナツキが島でどのような経験をおくることになるのか。輝かしい過去と辛い現実の中でどのように自分を納得させながら、もしくはあきらめながら生きてゆくのか。ただただ、そのナツキの行く末とこれから起こる出来事が気になり、物語に引き込まれながらも、ページをめくる手を緩める事ができなかった。
そして後半になりナツキがある行動にでるのだが・・・・・・うーん、これはどうなのだろうと考えさせられてしまう。良くも悪くも、最終的には悲劇的な現実が待ち受けているのだろうなと思えたのだが、こういう話の展開は予想していなかった。
ただ単にナツキが自分の今を受け入れるというだけでなく、自分自身で行動をするという事に意味があるのだろうが、あまり納得のいく話の展開ではなかった。思うだけならまだしも、それを行動に移すのはどうかなと思えたのだが、そのゆがみがナツキの現状を表しているとも考えられなくはない。
でももう少し違った展開で、別の物語を見せてもらいたかったと思わずにはいられない。
<内容>
駆け出しのミュージシャンである省吾は恋人の美月とうまくいっていなかった。どうやら美月には医者である新しい恋人が出来たようで、徐々に省吾とは会うことさえ断られるようになっていった。美月をあきらめられない省吾であったが、たまたま出会った女の子から、予知能力により美月が殺される光景を見たと言われ、盲目的に信じてしまう。周囲から不信な目を向けられつつも、省吾は美月を救おうと奔走するのであるが・・・・・・
<感想>
原書房から出ている作品なのであるが、ミステリー・リーグからの出版ではなかったので、ミステリ色の薄い作品なのかと思っていたのだが、読んでみると・・・・・・これは十分に良質のミステリといってよい作品であった。サスペンスと意外性の交じり合った内容。
主人公の省吾は恋人の美月を新しい恋人である医者の魔の手から救おうと奔走する。とはいえ、新しい恋人が美月の命を狙っているなどということは、言いがかりに近いものであり、主人公の行っている事はストーカー行為に他ならない。どう見ても主人公に分はなく、いつか訴えられるのではないかと思いつつも、省吾はあきらめずにひたすら美月の後を追い続ける。そして、そこから思いもよらない物語へと発展していくことになる。
本書は最終的には“再生の物語”というような内容になっている。話は全く異なるものの、読了後にふと「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」という作品を思い起こした。この作品もそれと同様に、ある種の犠牲が生じることによって主人公の再生へとつながってゆくこととなる。そうした犠牲が必然だとは決していえないし、また主人公の取り続けた行動を肯定することもできないのだが、強く印象に残る作品であったのは確か。
物語の意外性のみならず、主人公の不器用な生き様が深く心に残る作品であった。
<内容>
高校生にカウンセリングをする小比木英和のもとに知人である野原すみれがやってきた。彼女には不思議な力があり、ときおり未来のことを予知することができた。すみれはカウンセリング室に落ちていたストラップから持ち主が自殺を図ろうとするビジョンを見てしまったのだ。いったい自殺をしようとしているのは誰か? 小比木はその日カウンセリングに来た7人の生徒のことを調べ始めるのだが・・・・・・
<感想>
ちょっと変わった小説と言えるかもしれない。青春ミステリということで読み始めたものの、読んでいるときはちっともミステリらしさというものが感じられなかった。誰が自殺を図ろうとしているのかを捜すというのが主題なのだが、“捜す”という行為よりも普通とはちょっと違った高校生の男女の生活の様子が語られているだけ。それが延々と語られてゆく。
しかし、最後まで読み終えると物語は一転してミステリとしての様相を見せることとなる。ある意味、チェスタトンの見えない人をほうふつさせるような内容と言えるかもしれない。読み終えてようやく、このような内容の作品を書きたかったのかと納得。ミステリとしても、青春小説としても胸を打つことは間違いないであろう作品であった。
ただ、それでも読んでいる途中は少々きついというか、あまりにもアブノーマルというか、極端な高校生たちが集まり過ぎであったように思える。これでこの学園は普通の学校生活が成り立っているのかと心配になるくらいのもの。このへんはもう少し普通の流れの小説として持っていくことができなかったものかと感じてしまう。
とりあえず、決して途中で挫折せずに最後まで読みとおしてもらいたい本。最後まで読めば何かが心に残ること必至であろう。
<内容>
里谷千沙子は幼い子供を事故で亡くした後に離婚し、現在は絵本作家を職業としてひとりで暮らしていた。そんなとき、疎遠となっていた父親が認知症となり、ひとりで生活するのが難しい状況であることを聞かされる。千沙子は渋々ながらも介護施設に入れるまでと割り切り、父親の面倒を見るために一緒に暮らすこととなった。ある日、千沙子が友人と飲みにいった帰り、車で子供をひいてしまう。たいした怪我はしていなかったようでひとまず千沙子が住む家に連れ帰るのだが、少年は記憶をなくしていた。どうやら彼は家で虐待を受けていたようで、体中にひどい傷痕があった。千沙子は死んだ息子のこともあり、この子は家に帰さずに自分が育てようと考え始める。そうして、三人の奇妙な生活が始まり・・・・・・
<感想>
これで北國氏の作品を読むのは4冊目。今まではミステリっぽい仕掛けが挿入された作品を書いていたが、この作品はほぼそういった仕掛けはなく、普通小説として読める作品。認知症と少年虐待という内容を含む社会派小説というような趣。
タイトルが“嘘”とあるように、そこになんらかの意味が込められているであろうことは承知のうえで読み進めていくと、全体的な構図はだいたい読めてくる。よって、気になるのはラストをどのような展開にし、どのように幕をおろすのか、ということ。
本書では、その幕引きを突飛な展開にはせずに(やや劇的ではあるが)あくまでも現実的に事を運んでゆく。そうした展開により、千沙子と少年の絆そして少年の強さが浮き彫りになり、より心を打たれることとなる。千沙子にとっては、心を通わすことができなかった父、息子、夫という存在の心の隙間をうめるように拓未と名付けた少年が現れはするものの、その拓未と本当の家族としての生活を手に入れるまでにいかに残酷な日々を過ごさなければならなかったことか。しかしその間、拓未も同じような時を過ごしていたわけであり、二人が願った生活が現実となったとき、本当の幸福が待っていることであろう。
<内容>
男がテストプレイを頼まれたゲーム。それは、とてつもなく生々しくリアルなものだった。ゲーム世界に、のめり込んでいくに従い、現実との境目がどんどん曖昧になっていく男。彼の中で、何かが徐々に狂い始めていた。時を同じくして、男の妻が怪しげな会合に参加するようになる。ゲーム、謎の団体・・・・・・全てに関わる『ハグルマ』とは!?
<感想>
日常における、ちょっとした落とし穴。それらは自らのストレスが招いたり、同僚によってもたらされたり、家族によってもたらされたりといろいろなパターンがある。そしてそれらを自らの狂気によって掘り進めてしまうと、元の世界には戻れなくなってしまうかもしれない。現実が虚構と入り混じり、やがては虚構が現実を喰らいつくし、虚構こそが自分の世界となり、もはや他の人たちとは交じりえなくなってしまう。狂気の狭間において、歪んだ“ハグルマ”に捕らわれてしまったら、もうじわじわと歪んだ世界に引きずり込まれるに身を任すしかないのであろう。
井上夢人氏の「メドゥサ、鏡をごらん」が好きな人には特にお薦め。
<内容>
「ジョンの推理法修業」
「ジョン、全裸連盟へ行く」
「ジョンと人生のねじれた女」
「ジョンと美人サイクリスト」
「ジョン、三恐怖館へ行く」
「ジョンとまだらの綱」
<感想>
シャーロック・ホームズの研究家として有名な北原尚彦氏によるホームズ・パスティーシュ作品。ただし、シャーロック・ホームズの物語そのままではなく、ホームズとワトソンが現代で探偵稼業をやっていたらという内容。スマホを片手にあやつるシャーロック・ホームズを見ることができる。
表題作の「ジョン、全裸連盟へ行く」にあるように、ホームズ作品のなんらかのもののパロディというような形で進められている。それ故に、意外性はさほど感じないものの、現代的な斬新さは備えていたりする。いかにもという事件のなかに、数々の現代性を用いた真相が用意されており、それぞれの作品が楽しませてくれる内容となっている。
また、熱烈なホームズファンであれば、作中に挿入されている様々な要素に感じ入ることができるであろう。ややワトソンがホームズにないがしろに扱われ過ぎではないかと思えるのだが、それも現代的なツンデレというやつなのか。ユーモアたっぷりの楽しめるパスティーシュ作品である。
<内容>
「プロローグ」
「ヴェニスを見て死ね」
「長い失踪」
「過去を捨てた女」
「秋の絞殺魔」
「バンバン」
<感想>
翻訳家として活躍する木村二郎氏が描く、ハードボイルド作品集。活躍する探偵はジョー・ヴェニス。日本人の母親を持ち、日本の米軍基地で生まれたが、日本語はほとんど話せない。そのヴェニスはニューヨークに私立探偵事務所を構え、失踪人探しや素行調査を行っている。
この作品群を読んだ感想としては、性に関する奇抜な事件が多かったなということ。ニューヨークでは、このような犯罪が一般的なのかと思ったのだが、あとがきで第一作目として「長い失踪」を描いたものの、もっと派手な作品を書いてほしいという依頼により「ヴェニスを見て死ね」を書いたという事から、奇抜なものを書くという作風になっていったのかとも考えられる。
「ヴェニスを見て死ね」は、いきなり探偵が事務所に入ってきた女性から銃で撃たれるというショッキングな場面から始まる。まさに派手な作品に仕上がっている。探偵は何故、自分が狙われなければならなかったのかを調査してゆく。
「長い失踪」は、年配の夫婦が19年前に失踪した息子と娘の行方を捜してもらいたいというもの。やや地味な内容ながらも、結末ではさまざまな想像力を掻き立てられる終幕の仕方をしている。
「過去を捨てた女」は、突如失踪した作家の行方を探してもらいたいというもの。一見地味な内容にも関わらず、その結末は奇抜と言ってよいかもしれない。ミステリ的な推理力を掻き立てられる内容。
「秋の絞殺魔」は、巷で連続絞殺魔がはびこるなか、7年前に失踪した娘の行方を捜すというもの。探偵が連続絞殺魔によって殺害されたかのような死体を発見するのだが、事態は二転三転することとなる。捻りをきかせたどんでん返しぶりが見られる作品。
「バンバン」は、素性調査を依頼した女性が何者かに殺害されるという事件を描く。この作品の結末については、他のものとは毛色が異なるものとなっている。意外な真相が胸を打つ内容。
<内容>
「秘密の崇拝者」
「ダイナマイト・ガイ」
「東は東」
「予期せぬ来訪者」
「孤独な逃亡者」
<感想>
単行本では1冊だったものを文庫版では「ヴェニスを見て死ね」と「予期せぬ来訪者」の2冊に分けて出版。今回はその「予期せぬ来訪者」のほうを読了。
「ヴェニスを見て死ね」と比べると、こちらのほうは、やや控えめな内容という気がする。地道に事件を捜査する私立探偵の活躍が描かれた作品集。ただ、ハードボイルド小説としては、ある意味こちらのほうが普通だし、著者としても元々描いていたのはこういった作品であったのではなかろうか。ただ、商業的な意味で「ヴェニス」の最初の作品となる「ヴェニスを見て死ね」のような派手なものが必要であったのだろう。
「秘密の崇拝者」は、婚約した女性のもとに届く脅迫状付きの花束という謎。彼女の婚約者も含めて、私立探偵ジョー・ヴェニスが周辺を捜査していく。意外な形であぶりだされる“真犯人”が見物。基本的には地味な内容なのだが、真相には驚かされた。
「ダイナマイト・ガイ」は、失踪した妻を捜してもらいたいと夫から依頼される話。この依頼人の夫がどうしようもない人間という事が徐々にあぶりだされ、そして何の同情もわかない結末が待ち受けている。ただ、この作品は地味なところに力を入れており、失踪した女の家族についての物語のほうが濃密に描かれている。
「東は東」は、日本から兄の行方を捜しに来た女により捜査を依頼されるという内容。地道な始まりであったのだが、その幕の引き方は結構劇的であったりする。意外というか、物語の構図が思いもよらないところから崩れることとなる。
「予期せぬ来訪者」は、主人公ジョー・ヴェニスにとってのちょっとした幕間。
「孤独な逃亡者」は、失踪した婚約者を捜す男からの依頼を受けるというもの。こちらは、今回の短編集のなかでは一番劇的な幕開けにより物語が始まる。捜索する女性の身元の謎に主人公が迫る。
<内容>
「プロローグ」
「第1話 緒方智子17歳 女子高生 死因・絞殺」
「第2話 浜本尚太27歳 会社員 死因・凍死」
「第3話 門井聡子82歳 無職 死因・老衰」
「第4話 君嶋世志輝20歳 フリーター 死因・撲殺」
<感想>
ちょっと変わった趣向の話で、探偵役となるのはなんと被害者。それゆえに、固定された探偵役がいないというのが特徴。タイトルにある“閻魔堂沙羅”というのは、閻魔大王の娘であり、死者を天国や地獄に振り分けるという役割を担っている。その際に、たまたま(?)死者に温情を抱いた沙羅により、もし死者自身の死の真相を10分以内に当てることができれば生き返らせてやるという、まさに生死をかけた(というか天国行、地獄行をかけた)ゲームが行われることとなる。
という設定の短編が4編掲載されているのだが、最初の第1話は、それなりにミステリっぽくて面白かったのだが、あとの3話は物語的な印象のほうが強いかなと。2話から4話までの話は、ちょっとした良さげな話を、ちょっとミステリ風に描き上げたという感じの内容。どれも結末としてはありきたりというか、犯人当てとしてもダイレクト過ぎて、ミステリとしては面白みがない。
まぁ、ちょっとした物語として読むのには面白いかなと。軽めのミステリというよりは、軽めの小説という感じで楽しめるのではないかと。