Ⅰ
「銀の仮面」 (The Silver Mask)
親切心から老婆は美青年を助けた。しかし、その青年は彼女の親切にもかかわらず、家を出るときに老女のシガレットケースを盗んでいった。その後、美青年は老女宅をおとずれ、そしてだんだんと・・・・・・
「敵」 (The Enemy)
ある男の通勤途上に、あまり好ましくない男が同乗することになり、静かな日常が崩れて行く。さらにはその男は彼を好いておりますます日常に近づきつつあるとき・・・・・・
「死の恐怖」 (The Fear of Death)
旅先で心底嫌いな男と出会ってしまった。不快ながらもその男と付き合わなければならないはめに。そこにはその男の妻も同情していたのだが、彼女と男の夫婦仲は非常に微妙なようで・・・・・・
「中国の馬」 (Chinese Horses)
自分の家を溺愛する彼女は、財産難からその家をある女に貸さねばならないことになった。彼女は家が心配でしきりに家の様子をうかがっていると、家を借りている女にプロポーズをしようとしていた男と、ひょんなことから知り合うことに。
「ルビー色のグラス」 (The Ruby Glass)
とある一家に一人の少女が引き取られたことによって、かき乱される少年の日常と心。
「トーランド家の長老」 (The Oldest Talland)
口がきけないながらも、一家に君臨しつづける老女。その老女のもとに偶然、そこぬけに迷惑なくらいの親切心をもった夫人が現れたことにより、基盤は一気に・・・・・・
Ⅱ
「みずうみ」 (The Tarn)
同じ作家であるその男。彼はことあるごとに彼の邪魔をするかのように出世をしてゆく。そんなある日、その男が彼のもとに訪れてきたとき、彼は男を人知れぬ湖へと誘うことに。
「海辺の不気味な出来事」 (Seashore Macabre-A Moment's Experience)
三十年前を思い出す、ある田舎で起きた奇妙な出来事。見知らぬ老人の後を魅入られるかのようについていくと、そこにはその老人の死体が! さらにはそれが動き出し・・・・・・
「虎」 (The Tiger)
都会に来て暮らし始めた男が、その都会の中に獣を感じ始め、やがてそれらが襲ってくると怯えることに・・・・・・
「雪」 (The Snow)
夫との結婚生活がうまくいかない理由が、夫の前夫人の影響によるものだと思い始めたとき、彼女のもとに影が忍び寄ることに・・・・・・
「ちいさな幽霊」 (The Little Ghost)
ある親友が死んだ時、その男がどれだけ貴重な友人であったかに気づいた男の幽霊譚。