サ行−サ  作家作品別 内容・感想

恐怖の島   The Island of Terror (Sapper)

1930年 出版
2014年06月 論創社 論創海外ミステリ123

<内容>
 冒険家のジェイムズ・メイトランドは、従妹のパーシーに連れられ、くだらないパーティーに出かける羽目になる。唯一の収穫はジュディ・ドレイコットという女性に出会えたことくらい。そのパーティーの帰り、ジェイムズは銃声を聞きつけ、ちょっとした厄介ごとに巻き込まれる。持ち前の冒険精神からか、その厄介ごとにジェイムズは積極的に関わることになり、手に入れた地図から、その島に隠されている財宝を目指して海へと出航することに! しかし、その目的の島はとかく不吉な噂がある島であり・・・・・・

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<感想>
 74年ぶりに完訳された作品とのこと。著者のサッパーというのは筆名。現役軍人であったため本名を名乗ることができなかったので、陸軍工兵の俗称である“サッパー”としたらしい。

 簡単にいえば、大人版“宝島”。事件に巻き込まれた冒険家ジェイムズは、宝の島の地図を手にすることとなる。そして宝を求めて、いわくつきの島へと向かう。

“宝島”のような作品とするのであれば(その名作についてそんなに詳しいわけではないのだが)、話が短めであったかなと(約300ページ)。 また、主たるキャラクターもやや少なめ。タイトルからすると冒険ものというよりは、恐怖的な部分を強調したかったのかとも思えるが、冒険かホラーか、ややどっちつかずになってしまったような。

 ハードボイルド風サスペンスの展開から、冒険を求めての宝探し、未知なる島で謎の生物との戦い、さらにはラブロマンスまでと、ちょっと要素が多過ぎたかのように思える。これならば、島での冒険のほうにもっとスポットを当てたほうがよかったと感じられた。


ビッグ・ボウの殺人   The Big Bow Mystery

1891年 出版
1980年01月 早川書房 ハヤカワミステリ文庫

<内容>
 12月の朝、ロンドンのボウ地区で下宿を営むドラブダンプ夫人はいつもより遅く目覚めた。下宿人のモートレイク氏はもう出かけたらしい。夫人はモートレイク氏の友人のコンスタンス氏を起こしに二階へと上がったが、ドアには鍵がかかり、返事はなかった。不審に思った夫人は近所に住む元刑事のグロドマンに知らせることに。知らせを聞きグロドマンがコンスタンス氏の部屋のドアをぶち破るとそこには!! 数時間後、新聞売りの少年が威勢よく叫んでいた。ボウ地区で戦慄の自殺が!

<感想>
 いやはや古典だ。そうくるのか。

 しかしそれにしても、薄い本ながら事件が始まってから解決までがやたら長く(無駄に?)感じた。これならば短編のほうが評判がよかったのでは?

 それでも古典だから。いやはや




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