ドラゴン殺人事件
The Dragon Muder Case   1933

 ヒース部長刑事の求めに応じてヴァンスとマーカムは事件が起きたというスタム邸へと向かうことに。現場には駆けつけてみたものの、不思議な様相をていしてはいるのだが、はっきりと事件が起こったとはいいがたい状況であった。

 通報してきたのはスタム家の友人である、ゲール・リーランド青年。彼の説明では、モンタギュという青年が飛び込み台からプールに飛び込んだまま行方不明になったというのだ。その後、彼らはプールの中を探し回ってみたものの、モンタギュの姿は影も形もないという状況だという。

 事件なのか事故なのかわからない状況の中、ヒース部長刑事は何かしらこのスタム邸にとどまる者たちの様相から不審なものを感じてヴァンスらに応援を頼んだのだという。

 スタム邸の主人のルドルフ・スタムは有名な養魚家で邸内でいろいろな魚を買っている。彼は事件が起きたときには深酒によって具合が悪くなり、医者をよぶはめになっていた。彼の妹のバーニス・スタムは誰にも好かれる女性でモンタギュとは婚約者同士であった。ルドルフはモンタギュのことを嫌っているようである。というかモンタギュは誰からも嫌われていたようだ。そのバーニスやスタム家を取り巻く形で、友人のリーランド、株式仲買人のグリーフらがスタム邸に滞在していた。

 その後、プールの水を空にして底を調べてみるもののモンタギュは見つからない。しかし、その水底には竜の足跡であるかのような奇妙な足跡がくっきりと残されていた。ルドルフの母で神経衰弱気味なマチルダ・スタムは竜新興を信じているかのごとく、すべては竜の仕業だとヴァンスらに告げる。そして邸から離れた洞穴のなかで、竜にひき裂かれたような爪痕が残るモンタギュの死体が発見されることに!

 さらに事件は続き、こんどはグリーフまでもが邸から消え、モンタギュと同じような傷痕を残し、同じ洞窟の中で発見される。果たして本当にこれは竜の仕業なのか!? ヴァンスはこれらを解く鍵が納骨堂の中にあると考えているようなのだが・・・・・・



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