タラント氏の事件簿
The Curious Mr. Tarrant   1935

「古写本の呪い」
 ジェリー・フィランはとある賭けにのり、一晩、閉ざされた部屋で古写本の夜番をすることになった。しかし鍵が占められた部屋の中でジェリーが古写本を見張っていたときに、一時の停電があり明かりがついたときには古写本が消えていた!そしてジェリーはその場でタラントと出会うことに!

「現れる幽霊」
 ヴァレリーという娘が一人で住む家に幽霊が出るのだという。だれもいないはずの家に次々と彼女を襲う怪奇現象が起こる。ヴァレリーに好感をいだくジェリーはタラントの助けを求めることに。いったい幽霊の正体とは?

「釘と鎮魂曲」
 あるアパートメントで一人の娘が殺されていた。そこは画家の家であったが、その画家の姿はなく家の錠は全て閉ざされていたのであった。密室殺人!!家の中を探っても脱出できる秘密の抜け道などはなかった。そして部屋には死んでいる女性がモデルとして描かれたイーゼルがあり、その絵の胸には死体を刺したことを示すかのように釘が刺されていた。そしてタラントは絵イーゼルの方向に奇妙な違和感を覚えるのであるが・・・・・・

「第四の拷問」
《メアリ・セレスト号》の謎の話しになったときに、それと似た事件がここにあると男は話す。ある一家が所有していたボート《第四の拷問号》。そのボートに乗り湖で過ごしていた一家が三人が突然船上から消え、一家は水死していたという。彼らに何が起こったのか? その後もタラントの眼前で起こる《第四の拷問号》の悲劇。タラントは自らボートに乗り込み謎を解明しようとするが?

「首なしの恐怖」
 とあるガソリンスタンドの近くで起きる首無し死体の怪奇。そこでは首無し死体が次々と放置されてゆくのだ! いったい誰が何の目的で? そして如何にして!? 謎の事件にタラントが挑む。

「消えた竪琴」
 その竪琴は伝説によると三度消えることになるという。そして実際に伝説どおり、その竪琴は密閉状態の部屋から消えうせたという。事件を聞きつけタラントらが駆けつけると、そこには竪琴がすでに戻っていた。タラントの見張る部屋で消えてはまた現れる竪琴、そして伝説のとおり三度目に竪琴が消えたとき、タラントがすべての謎を解く!

「三つ目が通る」
 タラントの秘書のカトーが事件に巻き込まれ容疑者にされる。カトーの隣の仕切り越しにいた者が何者かに刺殺された。警察はカトーを疑い彼を拘留する。タラントは事件を解明しようとするとき、奇妙な男に出会う。第三の眼を持つ男ムッシュウ・オール。

「最後の取引」
 ジェリー・フィランの妹のメアリが奇病で倒れる。彼女の恋人であるタラントはなんとか彼女の病気を治そうとするが病名ですら確定できない始末。この状態を打開すべく、タラントはいつしか会った奇妙な男、ムッシュウ・オールの力を借りることにする。そしてムッシュウ・オールは彼女の病気を治すためにタラントにある申し出を持ちかけるのだが・・・・・・



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