大正四谷怪談
Story
明治という時代、昭和という時代、その間にあった「大正」
たった14年間、けれども確かにあった「大正」。
その中で、ありのまま、つかのま、たまゆらのま。
今を生きた二人の男と女。
狂気の愛。・・・出口のない灼熱の愛の物語。
これも好きですねぇ。今でもたまに観かえします。僕が芝
居を観るようになる前のものですから舞台そのものは観てないんです。だからDVD。
「怪談」なんていうから最初てっきりあのおどろおどろしい特殊メイクバリバリの「あ
の手」のものかと思ったんですが、間違いでした。舞台そのものも「身毒丸」や他のも
のと比べていたって質素。登場人物もたった4人で、小道具もほとんどありません。た
だそこを逆手に取ってる演出は見事。小道具なんて「新聞紙」くらいのもんなんです
よ。その新聞紙をうなぎの蒲焼に変えたり本に変えたり、とするわけですが、もちろん
本当に変えるわけではなく、観るものに想像させる演出です。この辺は落語に近いか
な。
 あらすじには「愛の物語」なんて書いてありますが、怪談と確かに紙一重です。藤原
竜也はやっぱり演出家で大きく変わる役者ですね。よく言えば柔軟性があると思いま
す。悪くは・・・言わないでおきましょう(笑)。いや、こちらでの演技はたいしたも
んですよ。やっぱり今後も伸びていくのは間違いないでしょうね。 舞台というのは基
本的に身振り手振りが大きいです。それは舞台という空間を考えれば自然です。同じよ
うなことがやっぱり落語にもいえます。眉の動きひとつでは、テレビではいいかもしれ
ないけど、舞台では観客はわからないんです。のっぺりした感じになる。ただこれはそ
ういった細かい動きを意図的に多く含んでいる節があります。おそらく観客に適度な
緊張感「え?あれいま何やってんの?」という注意をもたせるのに効果的であると思い
ます。DVDになると、それが幾分わかりやすく、空間的な緊張感とは違った人物描写と
して変換されます。お見事。   


衝撃☆☆
独創☆☆☆☆
洗練☆☆☆☆☆
感性☆☆☆☆
残留☆☆☆☆
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