3000hitキリリク 「The Milky Way] ロン+ハーマイオニー

加南さんが ロンハーで「野外活動」でとリクエストを頂きました。
そして ギャグでハリドラも・・・。


「今日の夜は野外授業を行います。各自 それぞれ夏の星座について 出来るだけこと細かく調べて
 次回までにレポートを提出すること。いいですね。」
天文学の授業が終わりを向かえようとしていた時 それは突然告げられた。

「え〜っ! 夜も授業かよ!」
「素敵!夜空の星を見ながら授業だなんて!」

ブーブー、キャーキャー 教室は大騒ぎになっていた。

「たいへん! 今から図書館に直行しなきゃ!たくさん資料を集めとかないと。ハリー、ロンあなた達も
 いくつか借りておくといいわよ。」
ハーマイオニーは バタバタ鞄に荷物を詰めながら 小脇に抱え図書館によーい、ドンの体制で
二人を見ながら言った。

「いいよ。星座だろ?」
とロン。

「ハーマイオニー、適当に借りてきてってのはダメ?」
とハリー。

「ダメです!じゃ 私は行ってくるから…。」
ハーマイオニーは“ダッシュ” 駆け出していった。

「ロン、余裕だね。」

全くという顔でハーマイオニーを見送ってたロンに ハリーが大丈夫なのという顔をした。

「ああ、星なら小さいときから 家で兄貴たちと見てた。」
耳を赤くし 少し照れてロンが笑う。

「ほら!家の周り、なあ〜んにもないだろ!」
「そうか。そうだね。」
ハリーも ロンの家を懐かしく思い出して、ほわんと微笑んだ。




「ロン、ハーマイオニー、先行ってて。天体望遠鏡を持ってくるの忘れた!」
「OK。」
「いい場所 見つけとくわ。」
“お願い”とハリーは寮までの階段を駆け上がっていった。

二人は短く見送ると 学校の広い庭でも 一番の小高い丘目指して歩き始めた。

「ねえ、ここら辺はどう?」
ハーマイオニーは 丘の下った穏やかな斜面を指さしてロンに聞く。

「いいけど…。みんなから少しはなれてるよ。 ハリー、わかるかな?」
ロンは星空の下 仄かな明かりのなか周りを見渡し、
「大丈夫でしょ。それに ガヤガヤうるさいのは気が散るわ。」
ハーマイオニーは 早速とばかり 斜面をくだり腰を下ろす。

「………ロン?」
ハーマイオニーは どうしたの?という顔で振り向く。

“まったく…。わかってんのかな!どういう状況かってことかさ。”

「早く 座れば?」
「はいはい!」
ロンは あきれ気味に答え 横に腰を下ろした。

「見て!ロン。ミルキーウェイ!綺麗…。」
ハーマイオニーが夜空を見上げ叫んだ。
「ああ、“天の川”だろ。」
ロンが見上げ 呟く。

「“天の川”って?」
ハーマイオニーが聞き覚えのない名前に不思議そうに聞いた。

「うん。 アジアの日出国ではそう言うんだ。」
ロンは 優しい顔でこちらを見て
「ビルがね、外国の神話なんかが好きでよく話をしてくれたんだ。僕達は夢中になって聞いてたよ。
 “彦星織り姫伝説”って言うんだ」
楽しそうに話しだした。

「好き同士だったんだけど 二人が全く仕事をしなくなっちゃったのを 織り姫のパパで
“天帝”、まあ、ゼウスって感じかな、が怒ってしまって 大きな川で 二人を隔ててしまったんだ。でも 娘の織り姫が
ものすごく嘆き悲しむものだから 一年に一度 七月七日に、“七夕”って言うんだけど会うことを許したんだ。 ほら!
あの大きく光ってる星と反対の星、あれが二人だって言われてる。」
ロンは 指さした。

ハーマイオニーは持ってきた本をパラパラっとめくり
「あれは こと座のベガね。そっちはわし座のアルタイル。それと上にあるはくちょう座のデネブで 夏の大三角形って
いうんですって!」
これは大事よとばかり 羊皮紙に書き留める。

ロンは 片目をつむりハーマイオニーを ため息まじりで見た。

「ああっ!ロン 残念だけどそれは無理よ。」
ロンのため息にも気づかず本に見入ったままハーマイオニーが首を振る。
「なにがさ…。」
「二つの星の距離は光の早さで16年、合図だけでも29年かかってしまうわ。だから一年に一度会うなんてことは 
絶対にできないわ。」
「そんな…。」
二人は夜空を見上げた。

ハーマイオニーはロンをちらっと見た。
ロンは 口をつむり少し悲しそうに見えた。

「ロン ごめんなさい。私 また理屈で攻めちゃって…。」
ロンは目線を落とし、ぼそっと呟く。
「いや、子供のころ 一年に一回でもあえるんだからよかったって。永遠の別れじゃなくてよかったって思ったんだ。」
ロンは 再び星空を見た。

“もうなんで 私は こうなんだろう。
今そこに答えがあるものしか信じられなくて…。
いつもそう。 ロンのこういう考えに自分がすごく恥ずかしく思えてしまう。”

ハーマイオニーは本に顔を埋め
“バカ… せっかく二人でいるのに…”
泣きたくなった。

「逃げるな…。」
「えっ?」
ロンが突然はっきりと告げた言葉をハーマイオニーは本から顔をあげ思わず
「えっ?何処に?」
と聞き返していた。

「僕なら 逃げる。そんなに逢えないなら二人で逃げる。たとえ世界中 ううん宇宙中 敵にまわしても。
二人でいる方がいい。」
ロンは手を広げ星空に向け差し出し そしてその手をグッと握りしめた。

「ロン・・・。」
“ほら…、さらっとそんなことを ふつうに言う…。”

その拳に握られた物は 私の心…。

ハーマイオニーは 頬を赤くし、本をパタンと閉じた。
「今日は いい先生がいるみたいだから本はいらないわね。ロン先生 他の星についてご存じありませんか?」
わざとすまして。 心を隠して。

「なんだよ!」
「あら!真面目に聞いてるのよ?」
「ほんとかよ…?」
「もちろん。あっ!あの星は 何かの形に見えない?」
ハーマイオニーは 今の精一杯の気持ちでロンに向き合った。
まだそれは はっきり伝えられない。
なぜならそれは芽生えたばかりの想い…。




「で、あれが 蠍座。オリオンはサソリに刺されて命を落としたから冬に…。」
ロンは左肩に重さを感じ、ハーマイオニーを見た。
ハーマイオニーは リズムよく寝息をたてている。

「寝てる…。また 昨日遅くまで本を読んでたんだな。」
ロンは首を垂れて手で頭を抱え込んだ。

“ほんと! なんでそんなに無防備なんだよ!”

すねた顔でロンが でもそっとハーマイオニーの顔をのぞき込み微笑む。

「ほんとだよ。ハーマイオニー。 君となら 世界中敵にまわしても逃げる。
君とこうして同じもの 同じ夢を見続けていたいからね。」

そして ゆっくり 顔を近づけておでこに唇を落とした。
「あ〜あ、織り姫じゃなくて 眠り姫か。」
ロンは 声を殺し そして“ふっ”と笑った。




「なんで 出て行かないんだ。ポッター?」
「いけると思う? それより何故ここにいるんだ?マルフォイ?」
「僕は 一番いい場所で 観測しようとしてたんだ!そしたら あのウイーズリーとグレンジャーが、その、ばかばかし
い雰囲気になって…。」
「(ニヤリ)見入ってしまった。と。」
「ばっ、馬鹿な!それはお前だろう!」
「あー、僕は馴れてるから。・・・・教えてやろうか?マルフォイ?あの二人のおとぼけ迷惑ぶりを。」
「いらないぞ!」
「まあまあ、こっちでゆっくりとさ。」
「いらないといってるだろう!」
「・・・・足がついてきてるよ。」
「////!////」




てな感じでいかかでしょう? 加南さん!
七夕が近いってことで 書いてみました。
好きでした。星見るの。
ロンくん 少しかっこよすぎるかもしれませんが
まあ こういうのもいいかなって。(笑)

ハリドラ。少し強引すぎましたね。(汗)

どうぞ お持ち帰りください。






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