ミミペス’S ROOM





投稿日: 9月13日(木)02時10分52秒

さっきまであんなに風が強かったのに
今はもう、木々たちはぴくりともせずに
壊れない暑さの中に
目を閉じて寝入ろうとしているみたいだね
時計は持っているかい?
ああ、確かに動いている
確かに時は流れている
なんだか音が全くしないような気がする
本当はうるさいくらいにあらゆる音で満ち溢れているんだよ
だけどもそれが感じられないような気がする
というか感じていないのではなくて
無音というのを感じているのかもしれない
僕がふらふらとここに来たのは偶然ではないけれど
どうしてもここに来たくてたまらなかったよ
でもそんなに特徴がある場所ではないし
すこし懐かしい普通の風景だね
確かに僕が求めてきた物はここにはないのかもしれない
けれどももう一つのいいモノを見つけた気がする
今日は得したかもしれないね
やっと風が来たね
そろそろ帰るよ
ああ、また来るよ、きっと
それじゃ


決意

投稿日: 4月23日(月)23時22分39秒
苦しみ無しに何かが 成し遂げられようという時

かつて流した涙の理由は空白になる

だから俺はこのまま 君を待ちつづけてゆく

止まぬ雨があるとしても いつかそれが当たり前になってしまうだろう

だから俺はこのまま 君を待ちつづけてゆけるだろう



夜行生症候群

投稿日: 4月18日(水)02時00分12秒
月夜にしばられたままの二人には
淋しい勘違いが長すぎたね
幾度も伝わりそうになって
それでも確実にそれは切れていった
五つの夏を通り越して
そのたびに大事な事も見過ごして
10m先の霧の中へ進む勇気もなく
ぼくらはいつまでも起きる事無く
まぶたを閉じたままだった



AM

投稿日: 2月 1日(木)15時23分27秒

車のラジオの雑音が
リアルに二人の間
天気予報と一緒に反復しつづけた
明日は雨になるってさ
君はいつしか眠りに落ちる
十一日の午後十一時
寒い色のドレス
僕はラジオを消した


甘い空気

投稿日: 1月11日(木)02時34分03秒

甘い空気が僕の部屋に残る
戻ってきてよ いとしのひとよ

君が買ってきた鉢植えが枯れた
思い出の写真もどうしても見つからない

君が好きな音楽 君が好きな帽子
君が好きな映画 君が好きなケーキ
全部 僕も好きになったのに
肝心の君は何処?

甘い空気が僕の部屋から出てゆく
戻ってきてよ いとしのひとよ




投稿日:12月13日(水)01時47分51秒

「なぜここへ来たの?」
僕は答えられなかった
ただ迷ってただけ
何かあると思っただけ

夕焼けの光に思い出すのは
いつも君の事

ねえ、一緒に帰ろうか
たった一本の帰り道
茨の茂る道を通って


新しい僕

投稿日:11月 7日(火)21時58分29秒

「久々だよね」
君は笑っていた
時のいたずらに
戸惑いながら

「今の季節だと
よく海に行ったよね。」
空と僕の瞳を
見比べながら言った

「愛なんて嘘」
僕はそんなウソを言って
世の中をうまく
批判してたんだ

「帰ろうか」
新しい僕は
昔とは違う優しさで
君に語り掛けている




投稿日:10月26日(木)02時29分01秒
あと何分かな
始発の電車が入ってきたら
さよならだね

ねえ、
1.5秒でいいよ
朝日が見えたら
キスしようね