月光ゲーム
  Y悲劇の’88
 プロローグを読み… 『この本は不良品…?』と首を傾げてしまいました。いきなり大変なことになってるし。その後も何度か『ページがおかしいことになっていたのか?』と、プロローグを何度も見直したり(笑)。まぁ当然そんなことはなかったのですが…。それを確信してからは理代が犯人ではないことはわかった(遅すぎ)。

 江神さんが物分りの良すぎるオヤジのようで素敵でした。(褒め言葉です)  『やけた線路〜』ではモチファンだった私ですが、この本では『アリス頑張れ〜』と声援を送りました。しかし、理代に振られた理由が普通すぎ(笑)。 逢えなくなる理由はほかにあるのかと思いながら読んだのに…。恋愛小説じゃないからそれでいいのか。 しっかし学生アリスといい作家アリスといい、惚れっぽいヤツらだな。

 有栖川先生からの『読者への挑戦』。私は試合放棄。また前に戻って推理しなおすのも面倒だったというのもありますが(ミステリファン失格)、一刻もはやくアリスを麓に送り届けてあげたかったの(涙) …偽善だな。  いやいや。これだけじゃなくて、有栖川先生の作品は無理に推理しようとは思わないんです。純粋にスリルを味わい、純粋にトリックやロジックに驚く…というのを楽しみたいのvv

 
 『月光ゲーム』は、現在の有栖川先生にまた手直ししたものを書いてもらいたい作品の一つです。『Yの悲劇'03』とか。今ならどんなふうに描かれるのかしら?

   
テキスト:創元推理文庫(’94.7 東京創元社)