やけた線路の上の死体
 嬉しいことに、学生アリスシリーズはこの作品から入りました。(というか、これを読むまで『月光ゲーム』を我慢してたの)

 読む前にいろんなところで江神さんのことを耳にしていましたが、それでイメージしていたものと印象がちょっと違うな〜というのが第一印象。もっと飄々としているのかと…。(いや、充分だろう)  

 先に作家アリスをいくつも読んでいたので、学生アリスに違和感を憶えてしまって…。ところが途中で『これは(作家)アリスが書いたものなんだ!』と思ってからは、学生アリスにも愛着が湧いてきました。 (でもこの作品ではモチが好きだった。)

 内容としては『これは「本格」?』と偉そうに疑問を持ったりもしましたが、今の有栖川先生には無い新鮮さがとても好きです。…今の先生に新鮮さが無いというわけじゃありませんよ。

 短編集になるときには筆を入れるとのことなので、それと照らし合わせて読みたいものです。
 しかし、この短編集を卒業アルバムとしてシリーズを終わらせると聞いたことがあるので、見たいような見たくないような(涙)。



   
テキスト:『創元推理17』(’97.10 東京創元社)