私の大好きないじわるアリスが登場。(いつもか) 有栖川先生はこの作品について「活字だから成立するのか、映像やラジオドラマにした方が効果的なのか?」という疑問を投げ掛けられています。映像だともちろんいろいろ効果的にできるでしょうし、ちょっと切ないラストなのでドラマには向いていると思います。しかし、先生の文章だからこそ楽しいのだと私は思っているので、文字と読者の想像力だけで充分ではないでしょうか。(先生の疑問から随分はずれているな…)  それに、火村やアリスは誰にも演じてほしくない!(これが本音)   映像などは、『安楽椅子探偵』で楽しませてもらいます。
とぼけたことを。何となくむしゃくしゃするので、一矢報いてやりたくなった。 (P41/P39)
 アリス、本領発揮で反撃開始(笑)。いいぞー、やったれアリス! 火村も止めもせず黙って見てるし。最後に「やれやれ」と溜息ついて、『また始まった』って感じですか? 火村センセもいじわるアリス好き? 
 アリスの『プロだよ、あんた。』好きvv
「感謝します」という言葉に彼女は大いに喜び、部屋を出ていく火村をうっとりと見送っていた。渋い先生が好みのタイプだったのだろう。私は彼の背中を押して廊下に出る。こんなところで真実は得られまい。 (P44/P42)
ぶつぶつこぼしていると、どうして私がぼやいているのか判らないだろうに、「そう。そうなんだ」と火村が納得していた。    (P46/P44) 
 最近、アリスの言葉で火村先生が閃くことが多いような気がします。そんなのを見ると『ちゃんとアリスの言葉に耳を傾けているのね〜』とほわほわしてしまいます。アリスは相変わらず無茶苦茶なこともたくさん口走りますが。(そこがよい)
「よく判るな。あかんか?」
「あくわけねぇだろうが。—」 (P48/P46)
 なんだそりゃ!?『あくわけねぇ』ってあんた。正しい日本語を使いなさい!!(最近の若者言葉に怒りを覚えている私。おばさんか…) それにしても、あれだけアリスと一緒にいて大阪弁がまったくうつりませんねぇ、火村先生。助教授に指摘を受け、時刻表に自分の頭をぶつけるアリス。可愛すぎ…。
不在の証明
 はいはい、やきもち妬かなくてもいいからね。そんな背中まで押しちゃってアリスったら。こんな女の言う事なんか聞いていられるかという感じですね。そうかー、『渋い先生』かー。そんな風に思ってたのね。  今回のアリスはイライラ気味。カルシウムを摂りなさい。
テキスト:『本格ミステリ02』('02.5 講談社)/
     『白い兎が逃げる』('02.11 光文社)