火アリの原典がたくさん詰まった、いわばバイブルです。今読み返すと新たな発見があって何度でも楽しめます。そして若い! アリスもですが、火村の言動がなんだか若いです。ちょっと可愛いかも。 きっとこのときは有栖川先生も若かっ…いやいや、先生は今もステキですvv
 石町さんにも安永さんにも同情してしまいましたが、気絶させられたり犯人が親しい人物だったりと、アリスも可哀想でしたね。
 いつもの彼らしいクールな口調だった。(中略)—彼は眠いのだ。 (P13)
火村のことなら何でもわかるアリス。(わかってないやん) 他の人間に理解されなくても、アリスがわかってくれてるからいいのよね〜、先生v…って、さりげなく無視かい!? いやいや、アリスのことばかりに気を取られちゃいけないもんね。5分も早く終わるくらい『急ぎ過ぎちまった』のは、アリスの為だしねー。
 「紳士でなくて悪かったな」
 「あ、俺はそんなつもりで言うたんやない。あのな—」
  私はバツが悪かった。しかしこの野郎、起きてるならぴくりとでも動けよ。 (P26/P28)
 「まだ七時半。お前にしたら上出来だよ」(中略)
 「ああ。デリケート過ぎて生きにくいぐらいだな」
 「アホ、そんなことは初対面の人間にだけ言え」
  枕でもぶつけてやろうかと思った。  (P57/P68) 
 夫婦漫才。(観客なし)
 アリスのマンションに泊まったら寝坊するらしい助教授。『他人様の家にきたら七時前には〜』ってことは、アリスは他人じゃないってことですねー。…未遂に終わったが、枕ぶつけるなんて三十路男にしてほしくない…。(この2人なら許されるが)
 このあたりで気になったこと。火村のご両親は、去年と一昨年に亡くなってます。去年は火村が喪主をしたんだと思うのですが、親友の親の葬儀なら、アリスも参列しているはずですよね。いや、だからどうしたという訳ではないのですが…。 身寄りのない火村の葬式(縁起でもない)では、やはりアリスが喪主なのかな〜と。それとも、無神論者だから葬式なんてしないのか?
「人を殺したい、と私自身が思ったことがあるからです」 (P59/P71)
「ええ。二回生の時です。おかしな奴だな、という第一印象どおりおかしな奴でした」
 その時のことははっきりと覚えている。五月の七日。ゴールデンウィークが明けたばかりのよく晴れた日だった。天国から降っているのかと思えるような、暖かくて柔らかい光が階段教室の窓から注いでいたのを思い出す。 (P68/P83)
 この時のアリス、天使のように可愛かったんだろうな〜(うっとり)。火村も『いい横顔だった』らしいし、お互い一目惚れ!? …という設定ではないんです、ウチの2人は(笑)。  2人の出逢いと同時に、アリスの愛読者1号誕生の瞬間(?)。このシーンは何度読んでも飽きることがありません。 賞を取った時の『やったな』のひと言…友情っていいなー。
 そういえば星火荘へ向かう車中で食べてたのもカレーだったね。重要アイテム。
「ちょっと部屋を見てみます」
 僕が言うと、杉井も「私も調べてみよう」と言って自室に戻っていった。 (P84/P104)
 ん〜?僕どうしたのかな〜? 
 …僕!?アリスが僕!? 似合わねぇっ!! P94/P118でも言ってますね。『火村と僕』。 学生アリスか?
46番目の密室
バツは悪いが『この野郎』(笑)。 「それ、誰のことだ」「あんたや」「はっ」までのやりとりは絶品。見せ付けないでください。 そりゃ、杉井さんもにやにや笑うさ。(私も笑った)
テキスト:講談社ノベルス('92.3)/講談社文庫('95.3) 
 決して避けては通れない火村助教授のこの台詞。みなさんそれぞれに推測していらっしゃることと思います。私にも私の想像がありますが、ここで披露するつもりはありません。 この後のやり取りの中で火村の犯罪に対する思いが僅かながら伺えますが、やはりこのシリーズは最初にこの作品を読まないといけませんね。私は『ブラジル蝶の謎』から入ってしまったので、ちょっと後悔しています。  火村の過去を知りたいは思うけど、それがわかってしまうこと=シリーズの終焉のような気がして複雑。
「中へ入るにはそうするしかないだろう。俺はドラえもんじゃねぇんだから」 (P111/P141)
 ぼくドラえもん。
 …火村先生、結構マンガ好き?(ゴルゴも読むし) 下宿に全巻揃ってたりしたらいやだな〜。
「馬鹿。頭の具合はどうだって聞いてるんだ」
 私は勘違いを恥じた。 (P136/P174)
 火村センセったら、ずっとアリスの頭が心配だったのよねー。部屋に戻ってやっと聞けたのに、アリスのあの態度。頭の具合はよろしくないようです。
 この後の『先生』の応酬は、読んでいるほうがむず痒くなります。でも好き。(結局それか) でもねでもね!やっぱり火村には『アリス』って呼んでほしいの! 火村って必要以上にアリスの名前呼びますよね?? 
「アリスと一緒でもかまいませんか?」
「有栖川さんはあなたの保護者なんですか?」 (P147/P190)
 警視ナイス突っ込み。しかし怯まない火村。『単に保護者でなく』って、保護者と認めとんのかい!? おまけに「有栖川」と言わずに「アリス」。おまえは常識なしか!(言いたい放題)
「な?」
 彼は私にそう耳打ちすると、今度は屈み込んだ。(中略)
「な?」
 私は頷く。「判った判った」 (P159/P206)
 耳打ち!バリトンで耳打ち!アリスもよく平常心でいられるなぁ…。それにしても、この火村は何があったんでしょうかね。…子ども? アリスも『はいはい』って感じだね。大人だ。いや、さすが保護者だ。
 うちの姉もよく自作の歌を歌うので、「セロテープに節をつけて歌って」と頼むと演歌調で歌ってくれました。
まさか火村のはそんなんじゃないよね…。
「セロテープ、セロテープ」
火村はおかしな節をつけて小声で呟いた。 (P162/P210)
「おい、危ないことやってるじゃないか。大丈夫か?」
  (中略)
 彼はさらに口の悪いことを言ったが、よほど驚いたらしく、胸に手を置いて呼吸を整えていた。許せ。 (P183/P238)
 こんなに驚いている火村なんて、他にないですよねー。よほど驚かないと呼吸乱れたりしませんって。アリスの『許せ』もなんかいいな〜。 この後「お前はじっとしてろ」とか言われちゃって、どっちが保護者なんだか。
「あぁ、判ってる。声を揃えて言おうか?」
 私たちはそうした。
 —テグスは何に使われたのか? (P178/P231)
 おまえらはコ○ンと平○か!?(私は後者が好き) もう少し先でも「せーの」で「それがどうした?」とか声を揃えちゃってるし。大丈夫ですかね、この三十路2人は。 
「いいタイミングできたようだな」(中略)
「そうでもない。お前が伸びている時にはぐうぐう眠っていたじゃないか」 (P228/P298)
 アリスのピンチなのに気付かなかった自分が許せないのですね。ずっと悔やんでたの。 きっと屋根から落ちそうになったときも、自分が助けたかったに違いない。
「ああ、お前がまた滑り落ちないうちにな」」
 火村がそう言った時、私の頬に何かが触れた。 (P262/P343)
 なにっ!? と焦った人(またはニヤリとした人)は多かったはず…ですよね?『何かが触れた』って…ちっ、雪かい。 並んで座っているそうですが、やはり膝を抱えて体操座り?(って言葉は全国共通なのか?)