オルリー空港に朝は寂しかった。

まだ朝靄の中に眠るロビーには人影もまばらで、

大志を抱いた若者に静かなるプレッシャーを与えていた。

ふと回しの静けさに耳を傾けるとそこには、まだ降りてきたばかりの

飛行機のジェットエンジンの音が耳元に残っていた。

 

ここパリのオルりー空港は日本から来ると早朝6時頃到着する。

時折すれ違う人は、新たな一日の始まりを楽しんでいるかのようであった。

 

さあ、これからいろいろなことがあるがすべて自分自身で乗り越えていかなければ

ならないと青年は、心新たに新天地を目指し一歩一歩進んでいった。