貴方の居ぬ間に。

貴方の居ぬ間に。

貴方の居ぬ間に、

私は歌を一つ、覚えました。

貴方の居ぬ間に、
育てていた花がやっとの事で咲きました。

貴方が居ない間、
私は、空をぼんやりと見上げていました。

同じ空の下にいるのに、
貴方が見えない。



髪を切りました、
一人で遠くに出かけて見ました、
習い事をする事にしました、
泣いてみました、
笑ってみました、

ひざを抱えてみました、
全部忘れようとしました、
アルバムをめくり返しました、


貴方の居ぬ間に、
私は一人、
じたばたしてるだけで
結局は何も出来ませんでした。

おかしなものです。

そんな存在の人が、
一人でもいるのであれば、
それは最高に幸せなことなんだろうか。

誰かのことを考えて
切なくなったり、嬉しくなったり、

そんな対象の人がいるだけで
心が潤うのは、

きっと、
それは、
恋、ね。

貴方に恋しているのかしら、私。

きっと貴方は気付いていないだろうけど。

貴方の居ぬ間に
私は、ひっそりと
恋心を抱くのでした。





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