名前は知らなくてもいいから

たったの一度だけでもいい。

木のぬくもりも
風の香りも
花の囁きも、
感じなきゃ
感じない。

私の愛も感じてほしい。

なのに貴方、時計の秒針、
携帯の着信、
電車の時刻表ばかり
に気をとられて
ちっとも私の事、気づいてくれてない。

私はここにいるよ。

私の声に気が付いて


孤独なこの場所で
視界に貴方が映るだけで、
貴方の声が聞こえるだけで
私は、
それだけで、
愛、満たされていくのに…。

でも、貴方は私に気付いてくれていないのね。
こんなに頑張ってるのに、
気が付いてほしくて
こんなに頑張ってるのに、

貴方には私の声が届いていないのね。

ねぇ、気が付いて。
たったの一度、足元に目を落とすだけでいいの。
たったそれだけでいいの。
貴方の足元に、
私が咲いてるの。

ねぇ、気が付いて。

貴方の足元に咲いてる、私に。

貴方に気付かれないまま
枯れていくなんて、寂しすぎるわ。

だから、たったの一度だけでもいいの。
私に気がついて。

貴方のために頑張って咲いてるから。
貴方に気付いてほしくて一生懸命
枯れないように咲いてるの。
この力がつきるまで、
この命がつきるまで
貴方に気が付いてほしくて頑張って咲いてるの。

お願い。
私に気がついて。

そして、何かを感じ取ってほしいの。

私はここにいるよ。






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