幻想即興舞曲

沈丁花の花言葉

知らない町を歩いていました。

そこは優しい風が吹く
心地よい町でした。
今にもうぐいすが鳴き出しそうな、
平和に守られた町でした。

知らない町の知らない家の玄関から
香って来た優しい風に振り向かされ、
思わずほほが緩みました。

沈丁花の花がそこに咲いていたから。
甘く優しい香りは春の訪れを知らせています。
梅や桃の花と同じく、春を伝える花です。

甘い香りに思わずそっと天井を仰ぎ見てしまいました。

空は、真っ青です。
どこまでも透き通っていて、
とても平和な色をしていました。

風は優しいです。

不安にかられていた心はいつのまにか
空の色に溶けてなくなっていきました。

空の色は、
青です。

でも、空には
色がありません。

空に心が溶けていきます。
心は空と同じ色だと思います。

その町は優しい風が吹いていて
平和でした。

飛行機が白い線を残して
どこかに飛び去っていきました。

その色さえ
平和に見えます。

平和であってほしいから。


私の心はとても穏やかです。
空から色をもらったから。

貴方の住む町の風は、
どんな色をしているんだろう。





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