ノクターン・レクイエム

カミツレとアスター

おしえてカミツレ。

毎朝、キミにおはようって言ったら
優しくおはようって言葉返してくれたね。
何故?

答えてアスター。
貴方に向けた微笑、
何故生きることでお返ししてくれていたの?


風が吹いても水がにごっても、
太陽の光が遮られても、
花が微笑んでくれていたその優しさが、痛い。
愛しているのに、愛がこんなにも苦しいものだっただなんて。


どんなに辛くても
どんなに苦しくても

私は枯れる事を許されない、花。
花は強いし、美しい、
けれど、簡単に枯れてしまうし、
簡単に折れてしまう、弱いものでもある。

私は枯れる事を許さない花。
もし、カミツレが枯れても、
私は一緒に枯れるわけにはいかないんだ。

私は強く生きていたい花。
もし、アスターが萎れてしまっても
私は一緒に萎れることはできないんだ。

愛するものを守りたいから、
愛するものたちとずっと一緒にいたいから、
まだ、命は尽きてなんていないから、
まだまだ生きていくだけの力たくさん蓄えているから。

そう願って命失った花たちに私は掛ける言葉も
見当たらない。
さようならは言えない。
言わないよ。

だから精一杯に、有難うを返したい。
精一杯に、愛を返したい。

だから、
お願い、一生懸命に生きてよ。

それが貴方にとっての一番の願いのはずでしょ?


セレナーデは歌えないけれど、
カミツレとアスターの花言葉を貴方に捧げます。

それも、愛の形。






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