タイトル

友達ができたよ

出題者

Yuka.U

新聞

フランス人

フォークダンス

芋堀り

コンサート


ゆかちゃんは鹿児島の小さな村に住んでいます。
この村は子供があまりいないので、村長さんは子供達が
お友達が作れるように大きな町の人と仲良くする為のアイデアを
いつも考えています。

ある晴れた春の土曜日、村長さんが一杯の人を連れて
小学校にやってきました。
「今日は、みんなと一緒に畑にお芋を植えに町の子供達がたくさん
やってきました。皆さん、仲良くしてあげてね。」
村長さんはそう言って、やってきた子供達を紹介しました。
「僕の名前はドロン。お父さんの仕事は大学の先生なんだ。去年、
フランスからやってきました」そう挨拶した
フランス人の少年の
きれいに澄んだ目をみて、ゆかちゃんはどきどきしました。

「さー、みんなも自分の名前を教えてあげて」先生が言いました。
ちょっと恥ずかしかったけど、
「私はゆか、男の子に負けないくらい元気です。一緒に遊べたらうれしいわ」
思いきって言いました。

それから学校の畑で一緒にお芋の苗を植えました。
さつまいもは、葉っぱのついたつるを畑に植えておくとお芋になるんです。
皆が帰って行ってから、ゆかちゃんはつぶやきました。
「早く、秋にならないかな。」

植えた人の名前の書いてある畑のドロンの列は、いつもゆかちゃんの当番になりました。
水をあげたり、雑草を抜いたり、ゆかちゃんは一生懸命頑張りました。
「早く、秋にならないかな。」

今日はお芋の収穫の日、町の子供達のやってくる日です。
ゆかちゃんは何時もより早起きして。学校の畑に行ってみました。
「きっとたくさんお芋さんが出来てるわ」
ゆかちゃんはドロンの植えた列を見てつぶやきました。

春より少し背の高くなったドロンを見て、ゆかちゃんはまたどきどきしました。
「じゃー、皆力を合わせてお
芋堀りをして下さい」村長さんが言いました。
「何時もお手入れしてたのよ。きっと沢山出来てるわ」
ゆかちゃんは思いきって、ドロンに言いました。
「有難う。僕は芋掘りってした事がないんだ。一緒に手伝ってくれる?」
二人で力を合わせてつるを引っ張りました。
「もっと力を入れないと抜けないよ」先生が言いました。
二人は顔を真っ赤にして芋のつるを引っ張りました。
「あれっ」二人は力を入れすぎて、すっぽぬけたお芋と一緒に後にひっくり返ってしまいました。
ドロンもゆかちゃんも顔に泥がついて、真っ黒け。。。
「は・は・は」笑いながらもドロンがハンカチで優しく顔を拭いてくれました。
「メルシー」一生懸命覚えたフランス語でゆかちゃんはお礼を言いました。

「さー、収穫のお祝いだよ」
村長さんの言葉に中学生のお兄さんやお姉さん達が楽器演奏を始めました。
「野外
コンサートの開始だよ」
何時の間にか、皆が手と手を取り合って
フォークダンスの始まりです。
お母さん達がお芋を煮ている間、皆でマイム・マイム
ゆかちゃんは、顔を赤くしながらドロンと一緒にフォークダンスを踊りました。
頭の上では赤とんぼさんたちが集まって、沢山飛んでいます。
夕焼けのせいか、ドロンも顔を赤くして踊っています。

「楽しいかったよ。来年もきっとまた来るね」
ドロンはそう言って町に帰って行きました。
「きっと、また来る」ゆかちゃんはつぶやきました。

それから三日後、
新聞に当日の様子が載っていました。
「町の子供達と田舎の子供達が一緒に芋の収穫を楽しみました」
記事にはそう書いてありました。
ゆかちゃんとドロンの楽しそうな笑顔が載っていました。
雲一つ無い青空も一緒に写っていました。

「あー、楽しかった、そうだドロンに手紙書かなくっちゃ。」
ゆかちゃんは、早速机に向かいました。