タイトル

さくらの悩み

作 者

Rionさん

さくら

東北

ラーメン

英語

さいきん。おもう。ほんとうに、さくらはママの子なの??前はさくらのこと、とってもとっても可愛がってくれた。さくらの5回目の誕生日がすぎて、ちょうどりんごの白い花が咲く頃、妹のかおりがうまれた。
さくらのすむ
東北ではりんごの花がすごくきれい。しろくて、ほんわか・いいかおり。さくらも大好き。

春、さくらはうまれ、5月にかおりがうまれた。それでもう、8ヶ月たった。
ある日、さくらが、かおりちゃんのところに行こうとしたら、ママが言った。かおりちゃんとこ、いかないで!なんで??ママ。さくらは、かなしかった。目が見えるようになって、はじめてみえたママのお顔。さくら、大好き、って、いっつもいってたでしょ。

さくら、
ラーメンが大好きで、塩辛いから、ママ、いつも洗って、ちいさく切って、どーぞって食べさせてくれた。ちっちゃい子はしおからいもの、だめよーって。

でね、お
も大好きで、骨とか全部とって、それで・・・。かなしいよ。

この前パパが大きなリボンのついた箱をもってかえってきた。あ。おみやげだ!!さくらはとんでった。そしたらパパは、ちがうんだ、かおりのだよ。そういって箱をひらいた。
それは、かおりちゃんのちいさなイスだった。
前はパパ、さくらにもおもちゃ、たくさんもってかえってきたのに。さくらは、いす、買ってもらったことないよ。ずるいよ。今、かおりちゃんはそこにすわって、ママからスプーンでごはん、たべさせてもらってる。ずるいよ。かなしいよ。
さくらは家出、するってきめた。もう、帰らない・・・。

まだ寒い1月、雪がたくさんつもってる。もう、いいもん。さくらは一人で生きていくんだ。ママはもうかおりちゃんしか見てない。さくらは、つもった雪にうもれながら、あるいた、たくさんたくさんあるいた。あるいていって、何時間すぎただろう・・・。
たぶん、ゆうめいな公園についた。かんりにんさんが雪かきしてくれたみたいで、あるきやすいな。なーんかねむいな、もう、ねちゃおうか・・。と、ふと顔をあげたら、おーきな人、女の人と男の人。べりー、ぷりてぃ、きゅーと。わかんないよ、怖いよ。あれって、ママたちがはなすことばとちがう。
英語っていうやつ??はしって、にげた、こわいもん。

つかれたよ、ママ、もうさくら、ここでねていい??もう、おきれないかもしれないよ。ママ。パパ、そしてかおりちゃん。さくら、ほんとうにばいばいかも。

横になったらあたたかくなってきた。夢を見た。暗いダンボールの中で、ふわふわの兄弟たちとよりそっているさくら。おなかがすいて、でもあったくて。そんなこと、あったのかな・・。夢だった?それとも・・・。ねむくなったよ・・。

ぽとん、ぽとん、あの時と同じ、暖かい雨があたった。ちがう、ママの涙だ・・・。ママ、来てくれたんだ。それははじめてママがくれた涙とおなじかおりがした。

目、あけたら、はじめて世界を見たときのままのお顔。
ごめんね。ごめんね、何でママ、ないてるの?
かおりがうまれてから、あなたのこと冷たくしたかもしれない。ごめんね。
ママがちょっとほほえんだから、あご噛んだ。
ママ、おひげがいたいよって笑った。

ねえ、まま、さくらはママの子だよね。
だって、初めてみたの、ママの笑顔だもん。
変なねこちゃん、ってママいったけど。
うーーん。ねこちゃんってさくらのあだ名かな??