宝物
誰かを思い、思われたことがありました。
失った感情のかけらを、思い出の中に見つけるたび
心が、どうしようもなくうずくこともあります。
痛み、というよりは、憧れに近く
暖房を切った瞬間にスーッと冷えていく室内の空気にもにて。
漠然とした喪失感を遠くからそっと眺めながら
あのころ確かに自分を包んでいた幸福感を思い出すのです。
それはきっと、いつかまた形を変えて現れる私の・・・