じどう車くらべ(光村図書 1年上「かざぐるま」より)



     本文

     じどう車くらべ

     いろいろなじどう車が、どうろをはしっています。
     それぞれのじどう車は、どんなしごとをしていますか。
     そのために、どんなつくりになっていますか。

     バスやじょうよう車は、人をのせてはこぶしごとをしています。
     そのために、ざせきのところが、ひろくつくってあります。
     そとのけしきがよくみえるように、大きなまどがたくさんあります。

     トラックは、にもつをはこぶしごとをしています。
     そのために、うんてんせきのほかは、ひろいにだいになっています。
     おもいにもつをのせるトラックには、タイヤがたくさんついています。

     クレーン車は、おもいものをつりあげるしごとをしています。
     そのために、じょうぶなうでが、のびたりうごいたりするように、つくってあります。
     車たいがかたむかないように、しっかりしたあしが、ついています。

     はしご車は、かじのときにはたらくじどう車です。
     どんなしごとをしていますか。
     そのために、どんなつくりになっているでしょうか。

     ほかにどんなじどう車がありますか。
     1つえらんで、かきましょう。


     8月24日までの教材研究
     素材研究
     ・身近にある「じどう車」を題材にしているので、子どもが興味を持ちやすい
     ・段落の構成が同じで、それが反復されている
     ・説明文の構成がわかるようになっている(問い→答え)

     教材研究
     ・中心発問は「それぞれのじどう車は、どんなしごとをしていますか。
      そのために、どんなつくりになっていますか。」
     ・それぞれのじどう車は、2つの形式段落から成り立ち、説明されている
      はじめは「つかいみち」、次は「つくり」中心発問に対応している
     ・「つかいみち」と「つくり」の段落は「そのために」で結ばれている
      これにより、「つかいみち」に即した「つくり」であることがわかる

     指導法研究
     「小学校学習指導要領解説 国語編」を見ていく。
     第3章 第1節には、第1学年及び第2学年の目標と内容が記されている。
     「じどう車くらべ」では、どの目標が達成されたらよいかを考えていく。
     「C 読むこと」の目標に「書かれている事柄の順序や場面の様子などに気付きながら
     読むことができるようにする・・・」とある。
     この説明文の構造理解のために、事柄の順序に気付けるような指導を考えていきたい。
     さらに、順序に関する事項は「話すこと・聞くこと」「書くこと」にも関連する。
     読みの時間・回数を多く持ちたいと考える。
     「B 書くこと」の目標に「・・・順序がわかるように、語や文の続き方に注目して
     文や文章を書くことができるようにする・・・」とある。
     この教材では、後に児童自らが「じどう車」の説明をしていくことになる。
     この説明文は、段落と段落が「そのために」という言葉でつばがれている。これがポイントだと考える。
     「そのために」という言葉を正しく使って、じどう車の説明ができるようになる指導を考えていきたい。

     授業の流れ(案)
     読み(追い読み・列ごとの読みなど、やり方を変えて読みを繰り返し行なう)

     第1段落を読んだ後、
     説明:この文の中に、もんだいがあります。
     指示:どこにあるでしょう。さがしなさい。
     「(それぞれのじどう車は、)どんなしごとをしていますか」
     「そのために、どんなつくりになっていますか」
     指示:「しごと」「そのために」を赤で囲みなさい。

     第2段落を読んだ後、
     発問:バスやじょうよう車は、どんなしごとをしていますか
      答え:人をのせてはこぶしごと
     指示:人をのせてはこぶしごとの「しごと」を赤で囲みなさい。
     発問:そのために、バスやじょうよう車は、どんなつくりになっていますか。
      答え:ざせきのところが、ひろくなっている。大きなまどがたくさんある。
     指示:「そのために」を赤で囲みなさい。

     以下、第3段落、第4段落も同じ展開。

     9月3日

     担任の先生と研究授業の話をするなかで「あなたなら、どういう導入をする?」と聞かれました。
     私は、教科書を開かせて、読みに入ると答えました。
     先生は、例えばバスの絵を見せて、バスってどんな車?と発問する、と答えました。
     先生は、教科書をきっちり扱うよりは、少し変化させて使いたい、とおっしゃいました。

     子どもたちを前に、どうしようかなぁ?と思うだけで、具体的な授業が思いつきません。
     まだ児童の実態がわかっていないから、計画を立てづらいのかもしれません。
     授業自体に、イメージがつかなくなってしまっています。

     9月4日
     今日、子どもたちといて、ふとイメージが湧きました。
     ところで、今までの案はすべてやめました(きっぱり)。

     「知っている車」を発表してもらう。(車の絵を用意しておき、発表に中で出たら、黒板に貼付する)
     「どんなことに気付いた?」と聞き、見たこと、さわったことを発表してもらう。
     (車の「つくり」を出していく)
     「何のために、そうなっているの(そういう「つくり」になっているの)?」と聞く。
     (車の「しごと」を出していく)

     教科書を開き、バスとじょうよう車の文を読む。
     これで第1時とする。

     研究授業は、第1時を扱うことになった。
     準備物が多そうですが、そういう方向になりました。

     9月19日

     指導案もほぼ完成し、プレ授業として2組で授業をさせていただきました。
     知っている車を発表してください、と指示した際「バイク」とか「電車」が発表された。
     さて、バイクや電車は「自動車」になるんだろうか?
     児童の発表予想でそこまで考えておらず(ダメぢゃん)、その場は自動車の仲間ということにしてしまった。

     また、「バス」や「じょうよう車」の知っていることをグループで話し合い、画用紙に書いていく。
     黒板に貼ってもらい、話し合ったものを皆で見ていき、両方の車の「つくり」や「しごと」を見ていく。
     ただ見ていくだけだったので、その画用紙に「つくり」とか「しごと」と書き込んでいくのはどうか?と
     先生方に提案され、研究授業では、それを行なうことになった。

     さて、話は戻り。「車」とは何か?「自動車」とは何か?辞書で調べることにした。
     まず、車。
     広辞苑:①輪に貫いて回転する仕組みの輪。車輪。
         ②車輪の回転によって動く仕掛けのものの総称。牛車・荷車・人力車など。
     新明解国語辞典:①輪を中心として回る、円形の装置。
             ②[荷車・自動車など]車の回転によって動き・進む仕掛けの物の総称。車両。
             ③昔は人力車の、現在では自動車の特称。
     岩波国語辞典:①心棒を中心に回る仕組みの輪。車輪。
            ②荷車・電車・自動車・人力車など、車輪を回して動く仕掛けの物の総称。
            現在では、特に自動車を指すことがある。

     続いて、自動車。
     広辞苑:原動機を装置し、その動力によって車輪を回転し、軌条によらずに道路上を走る車。
     新明解国語辞典:エンジンの力で車輪を動かし、路上を自由に運転できる車。[通常は四輪車を指す]
     岩波国語辞典:普通四つの車輪をもち、発動機の動力で、レールなしに走る車。

     よって、自動車を発表してもらう際には、電車はダメだということになる。
     バイクは、新明解の記載に従えば「自動車」ではないことになる。
     とりあへず、バイクはなしにしよう。と決めた。

     
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