---------------------------シリアス調に--------------------------- 夏が近い。 蟇蛙のセレナーデが心に切なく染みるのは、 街の一角にぽつんと残されたような水田に 夜中の赤いテールライトが映る そんな少し倒錯的な風景だからだろうか。 浮かび上がる、思いのほか白く、抜けるような凛の端正な凛の横顔を見ていて、 このまま家に返したくないと思った。 凛は家に帰れば父親がいる。 異能者にされてしまった凛を気味悪がり、人として扱わない父親が…。 そのために凛は男の格好をしている。 薙:「お前の家。醤油あるか?」 凛:「……そういえばなかったな。今からだと…コンビニしかあいてないか」 薙:「…うちに来い」 凛:「!…ありがとう、薙…」 大都会の真ん中にある水田を見つけたように 心が、幼い日の自分に帰る。 そんな気持ちにさせる、 凛らしい、はにかんだ笑顔を見せた。 -------------------------シリアス調終わり------------------------- |