「痛っ!!」

今日も今日とてロンドンの霧雨は降り止まない。
街を歩く人のほとんどはそんな天気に慣れてしまって傘を差している人はいない。
でも、やっぱり生粋の日本人である私、 は傘を差して歩くべきだと思っている!
あっ、やだやだ。頭ん中の日本語思考さえ英語訳っぽくなってくるのよね。留学してるとさ。

そう、私は今ロンドンに留学中だ。
マクゴナガル教授という女教授の家にホームステイしている。
ほぉぐわーっ手品学校(あんまり聞き取れなかったんだけど、たぶん手品スクールの先生なんだろう。マジックって手品のことだし)ってとこで働いていて私もそこに9月から6年生として通うらしい。(私、手品師になるつもりないんだけどな)
マクゴナガル先生は私の父さん、お寺の住職をしてるんだけど、が昔ロンドンに留学してた時からいろいろお世話になっているらしい。
でも、お坊さんになるのは小さいころから決まってたのになんでロンドンに留学したんだろう?
ほかにも父さんはドバイとか、そこってドコバイっ!てかんじの(え?寒いって?ブリティッシュ・ジョークよv)場所に行ったことがあるのだ。
その証拠に家にはそこで録画したらしい薄手の無声音動画がある。
(そういえば充電とかは何時してるんだろう?燃費がいいなぁ)

ちなみに母さんは翻訳家だ。
その血を受け継いでいるのか私は小さいころから日常会話程度のヒアリングが得意で、その力を試すために今回留学した。
とはいいつつもなかなか上手くいかない。
先日も母さんに「いい、?向こうについたら必ずこの”カツオブシ”をマクゴナガル先生に渡すのよ!きっと喜ばれるからっ!」って言われたから渡したカツオブシを見たとたん、マクゴナガル先生怒ってたんだよなぁ…。なんでかなぁ?食文化の違いかなぁ?昆布がないと一番だしがとれないから?いや、それは私だけか…。


さて、時間は今に戻る。
私は今、本当に日本人でよかったと痛感している。
傘を差して歩いていたからだ。
おかげで後ろから”ふくろう”に襲われたのに無傷ですんだ!
夜行性で肉食のふくろう。
そんなものに遭遇して襲われるなんて経験、留学しないとできないわね!
だれかとこの感動を共有したいけどこの通りには人がいない。残念っ!

とりあえず、私を襲ったふくろうはどこに…
いたいた。
ふくろうは私の前方にある街灯にとまっている。そして


くるっと振り向いた。180度回転して……っ!!!!


うおぉっっい!!!!マジっ?!生、ナマっ!!!生で見るの初めてっ!!
首っ!!首、回ってるよ!!180度ぉっ!!しかも目、怖っ!!昼!?昼だから!?
だから真ん丸いお目目じゃないっての!?

…うっっひゃーーー!!!!
ぐぎゃ!こっち来るーーーっ!!

ドバンっ!!

………ひ、ぇ………?

「貴様、ふくろうごときにそんなに驚くな」

とりあえず頭を守ろうと手で抱えてしゃがみこんだ私を、堅そうな皮のかばんでふくろうをはたき落として守ってくれたのは、将来は絶対英国紳士だ!と断言できる(あとで気付いたんだけど、イギリスで生まれた時点で将来は英国紳士よね)ような未来有望な少年だった。
でも未来英国紳士少年は、惜しいことに怒っていたので眉間に皺がよってしまっている。

とりあえず、お礼を…だけど”Thanks!”なんかじゃ足りない気がする。
ええと、何か言わないと…まずは…

「お前、日本人か?」
「どこから沸いてでたんですか?」

『………』

うわ。なんか間違えたっぽい。

その未来英国紳士少年は眉間に皺を増やし、青筋までたてている。
さらにため息もついた。
うわ〜。ごめんなさい〜。

「日本人か。
私がいきなり出てきて驚いたんだろうな?
私はこっちの横丁から出てきた。イギリスにはこういった細い道がたくさんある。
通りには誰もいなくても、横丁には人がいるといったことがよくある。覚えておけ。
私がお前を助けたのは偶然だ。わかるな?
ちなみに、…質問に答えよう。
私はウェールズ出身だ」

…や、やった!
ヒアリングできたっ!感動ー!!知らないモノホンのイギリス人と話したことなかったから自分の英語力がわからなかったけど、できたっ!!
私が感動していると少年はまたまた眉間の皺をよせた。

「日本人とは…奇妙だな」

はぁーん?そんなことないってば!
私が何か言い返そうとすると少年は一通の手紙を私に渡そうとした。
「さっきのふくろうが持っていた。おそらく、お前に宛ててだろう」
はい?ふくろうが私宛の手紙を!?
日本人独特の分からないことがあると石化する症状が発病した。
さっきの一件でふくろう恐怖症になった私の心境を察してくれたのか手紙の封を開けて読んでくれた。

「ホグワーツ魔術学園からの手紙だ
9月1日の始業式までにこれらの教科書類を買っておくようにということだ。」
「ほぐわーつ…って手品学校のことよね?」
「?そうだ」(注:英語での会話)

思ってたとうり、怪しいわ。これらの教科書の題名もそうだけど、ふくろうが届けることからして変よ!
さらに驚いたことには
「話は聞いている、日本からの留学生が来ることは。
私はセブルス・スネイプ。ホグワーツでも数少ない日本語が理解できる生徒の一人だ。
少なくともほかの連中よりはな。」
セブルスは咳払いして言った。

「”ヨロシュウ、オネガイイタシヤス”」

京都弁なんだ。



























●あとがき、という名のお詫び

白希「世間のせなる『ドリー夢』といふものを私もしてみむとてするなりv」
セブルス「これは『ドリー夢』ではない。ただのバカだ」
白希「やっぱり?」
セブ「大体、自分は留学してないくせにそれをネタにするな!」
白希「え?でも日本に留学しに来てる子とは仲良くやってるよ☆」
セブ「押し付け英語でな。自分がイギリス留学したいからといって、都合のいい妄想をするな!!しかも『ハリーポッター』見てないとわからないネタが多い挙句、激しく噛み合わない会話はなんだ!!こんなことでと私は幸せになれるのか?!」
白希「いやぁ〜、ものすっごくリアリティ〜があるっしょ?実話入ってるもん、コレ。心境とかリアクションが!」
セブ「もしかして、ふくろうのシーンもか?」
白希「いや、私は本物のふくろうをみたことないから。あれは某国営放送の『生き物○○紀行』で…」
セブ「テレビでそんなに驚くなよっ!!!!」
白希「いや、あの首180度回転と昼間の目にはびびるよ。本気で。
えっ!?ふくろうこんな顔だっけ!ってね!それともN○Kのハイビジョンの映りがいいのか…」
セブ「しょーもないことを語るな!」
白希「それを言うならこの話自体、しょーもないでしょ!」
セブ「上手くまとめたな」
白希・セブ「ありがとうございましたー!」





セブ「って、終わらすな!!!」(>アヴァダカタブラ!)
白希「(がくっ)な、なによ!うまいこと締めたのに!」
セブ「ごまかされんぞ!最後のシーンだ。何故私が『京都弁』なのだ!」
白希「あれは、…勝手に手が動いたのよ。最初の予定にはなかったわ。
…もっというと、最初の段階。”誰もいない通りをさんが一人で歩いている段階”ではセブルス自体、登場させる予定はなかったのよ」
セブ「…つまり?」
白希「”ふくろうが手紙を持ってくる”って設定だけで書き始めてたのよ。でも私の脳内でいきなりふくろうが襲ってきて…、そのとき助けてくれたのは、当時登場予定だったルーピン先生ではなくってあなた、そう、セブルスだったのよ」
セブ「…貴様、まさか…」
白希「私、あなたのことを…」
セブ「都合のいい人間だと思っているだろう」
白希「うん」
セブ「(怒)」
白希「いやいや、深層心理じゃないの?こういうのって?
だいたい、ルーピン先生ってピンチを助けてくれるっていうよりは、ピンチを切り抜けた後ご褒美をくれるってかんじじゃない?」
セブ「教師の怠慢だな」
白希「うわ、私もそれ思った。でも、ルーピン先生だから好きなのよ!」
セブ「ふん」
白希「でも安心して。実際いるとしたら断然セブルス派だから私は!ってなんで慰めてるんだ私」





何が怖いって、上の対談が全部私の脳内で起こったのがびっくり!
ドリー夢の対談型あとがきは
新たな自分発見、客観的に自分の作品を見る点においてとても有効ですねv
もちろん初めて書いたドリー夢も楽しかったですv

この作品はドリー夢の面白さを教えてくれた DREAM TICKET の柊 なぎさ さんに(勝手に)捧げますv
実を言うと…感想ものすっごく欲しいです!初めて書いたドリー夢なんですがこんなものでいいでしょか?(おそるおそる)
ドリー夢好きなんですが量読んでないんですよ〜。(心配)
比較できないのがつらい。

それでは、次の夢でお会いしましょう〜!(笑)