MOON 16才MOON

16才の私がそこにいた
世の中に
自分ほど不幸せな人間なんて
いないと 思ってた

生意気で
甘ったれで
背伸びばかりした
みっともない女の子

夢ばっかり追いかけて
かなうはずのない夢に
こころを泳がせてる
遠い目をした淋しがりや

トゲのある言葉と
不満だらけの表情で
ナナメに生きてたバカなやつ

膝をかかえて泣いている自分を
鏡に映し
悪態ついて 笑い転げた

毒々しい口紅と
折れそうなヒールに
ミッキーマウスのセーターが
泣かせるね

自分を知るには
子供すぎて
世間を知るには
綺麗すぎた

優しくなるのが怖かった

笑っちゃうような バカな話を
いっぱい背負って 気取ってたよね

今 私は優しいよ
傷つけないし
嫌われない
傷つくことが怖いから
優しくなった
利口になった

でも 心の扉を そっと開けば
16才の私がいる

傷つけても 傷ついても
自分を盾に生きていた
素顔と素手で戦った

膝をかかえて タバコにむせて
涙流した私がいる
照れて笑った私がいる

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