Oさんの悲劇

アキンドさんのゆかいな仲間(Oさんの悲劇)


私の会社にOさんがいる。

酒好きで、競馬狂で、グルメでとっても凝り性な性格である。

そんなOさんが数年前、博多へ出張に行った時のことである。

その時Oさんは体調を崩し、熱もあるようなので、

出張での唯一の楽しみでもある夜の街へ出掛けられなかった。

酒好きなOさんにとっては残念なことだ。

そこで、汗を流して熱を下げようと近所にあった健康ランドへ行ったのだった。

悲劇はそこで起こった。



数々の風呂の中に「ワイン風呂」なるものがあった。

Oさんは、体の芯まで暖まりそうだし、

幸いその湯船には誰も入っていないので、「こりゃいいわい」と紫色の湯に身体を沈めた。

しばらく浸かっていると湯の表面に点々と何か浮いてるのに気がついた。



ブドウの皮のようである。

(ほう、ブドウの皮まで入ってるなんて、新鮮でいいのお。)

などと思いながら、その皮を手のひらですくった。

すると、皮はハラハラと形が崩れて、湯に溶けていった。



(えっ なんだこれは)



Oさんはその時気づいたそうだ。



この湯船に人が入っていない理由。

この場に決してあってはならないもの。

しかし、あることは十分考えられるもの。







(ウ・ウ○コだ。)





湯船一面のウ○コ。



できたての新鮮なウ○コ群。




Oさんはきっと生まれて初めてウ○コをすくったのだろう。

おとなげもなく、叫び声をあげて湯船を飛び出し、

目に涙を溜めながら、皮膚が擦りむけるほど体を洗い直したそうだ。



そもそも、ワインにブドウの皮は入ってないでしょ。

気づくのが遅かったね。

でも、いい経験しましたね、Oさん。

うらやましいっす。