ギリシャ正教とロシア
     

2009.2.28  

ブログより

ギリシャ正教とロシア

2009-01-17 | Weblog

キリスト教の総本山というとすぐにローマ教会を思い浮かべるが、
もう一つギリシャ正教会がある。ギリシア正教はロシアをはじめ東ヨーロッパの多くの国に今でも深く浸透している。
ギリシャ正教会は今のトルコの首都イスタンブール(そこは以前コンスタンティノープルと呼ばれていた東ローマ帝国の首都である)にあった教会である。
『あった』と過去形にしたのは、15世紀の東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の滅亡とともに消滅したからである。
消滅して消えてしまったかというとそうではなく、ロシアに受け継がれて、ロシア正教会として発展していく。
ヨーロッパの辺境にあったロシアが発展するのはここからである。
モスクワはローマ、コンスタンティノープルに次ぐ、『第3のローマ』として繁栄していく。
王権と宗教の結びつきは、このようなところにも見られる。

その一方で西ローマ帝国の伝統は、ローマ教会との結びつきによって神聖ローマ帝国(ドイツ)によって維持されていたが、16世紀になるとルターの宗教改革によって、神聖ローマ皇帝とローマ教会との関係は否定されていく。
ロシア帝国がギリシャ正教との結びつきを深める中で勢力を拡大していくのとは対照的に、神聖ローマ帝国は衰退していく。

西ヨーロッパは王権と宗教との関係が壊れ始める。
ヨーロッパの近代化とは、王権と宗教との関係が壊れ始めるところから始まる。
これが人間の内面に深刻な不安をもたらした。




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