新自由主義をとった国はみんなダメになっている
ルター派の北欧との対比
     

2009.2.28  

ブログより

新自由主義をとった国はみんなダメになっている
ルター派の北欧との対比

2009-01-10 | Weblog

イギリスのサッチャー、アメリカのレーガン、それに追随した日本。
新自由主義をとった国はみんなダメになっている。

イギリスは90年代には労働党のブレアへと梶を切ったが(サッチャーは保守党)、
アメリカと日本はレーガン路線を継承し、止めどなく新自由主義を推し進めた。

その政策の誤りが昨年10月のサブプライムローンに端を発するアメリカ発の金融危機ではっきりした。
小泉・竹中の構造改革の誤りもはっきりした。
(彼らは、構造改革の不徹底がこのような不景気をもたらした、という詭弁をいまだに使っているが)
おかげでアメリカも日本もガタガタである。

ところがスウェーデンやフィンランドなどの北欧諸国は元気である。
これらの国は、日本が新自由主義だと騒いでいるときにも、はっきりとそれとは一線を画し、独自の路線をとってきた。

これらの国の経済が平坦であったわけではない。
旧ソ連に近いこれらの国は(特にフィンランドはソ連と国境を接しているが)、90年代のソ連の崩壊の際にはソ連への輸出が落ち込み、経済的に手痛い打撃を受けた。

日本がバブル崩壊で経済不況にあえいでいたのと同じである。
にもかかわらず新自由主義をとらなかった。

もちろんそこには旧ソ連の影響のもと、社会主義の影響が強かったこともある。

しかしもう一つ考えなければならないことは、宗教の違いである。
アメリカ・イギリスはプロテスタントの中でもピューリタン(カルヴァン派)の国である。
それに対して北欧は同じプロテスタントでもルター派である。

その大きな違いは職業(労働)に対する考え方の違いである。
カルヴァン派は富の追求や利潤追求を肯定した特異な宗教である。
カルヴァン → ロック(イギリス) → アダム・スミス(イギリス)
という流れの中で古典派経済学は成立した。
新自由主義はその古典派経済学の焼き直しである。

ルター派にはそういう考え方は発生しない。
北欧諸国は、むしろカルヴァン派の先鋭化しすぎた職業労働観に対して、その矛盾点をずっと感じていたのではないか。

そういう意味ではアメリカ流の新しいものに何にでも飛びつく日本型資本主義と好対照をなしている。




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