「自閉症」と「いじめ」

     

2007.1.21  

ブログより



『人の気持ちを考えなさい』
そういう言い方は一昔前までは教育上、常になされてきたが、
それが平成になってからは、個性尊重・自由尊重の名のもとに、

『人は人、自分は自分。自分の意見を言いなさい。自分の夢をかなえなさい。』
文科省の指導のもと、そういうことばっかり言うようになった。

これでは対人関係の教育にはならない。

今なぜ自閉症やアスペルガー症候群の子どもたちが増えているのか。
遺伝的要素があるにしても、少子化の中でこれほど発症件数が増えているのは、
それ以外の要因があるからではないのか。

文科省の『個性化・自由化』の方針が現場に行き渡るに連れて、
自閉症やアスペルガーなどの子どもたちが増えてきたのではないのか。


『人の気持ちを考えなさい』と
『自分の意見を言いなさい。自分の夢をかなえなさい。』とでは、
幼い子どもが対人関係を学上で、決定的な違いがあるのではないか。

『人の気持ちを考える能力』は、後天的な文化によって養成され、発達していくものである。
つまり教育的な後押しがなければ、すべての子どもにそういうことができるわけではないのである。

このことは多くの悪循環を生んでいて、
一方では、多くの自閉症やアスペルガー症候群を生んでいるのに対して、
もう一方では、『自分の意見』を言い過ぎる子どもたちを発生させ、
そのことが逆に彼らが『いじめ』を受ける原因にもなっている。

そしてまた、『自分の意見』をいうことを当然だと受け止めた子ども達は、
『おまえ変だぞ』といってはばからないし、
『変な奴』とつきあっていくすべを知らない。努力もしない。

こうして子どもたちの集団が寛容性を失った集団になっていくのである。

つまり、『自閉症』と『いじめ』は表裏一体なのである。

知識偏重教育への批判から始まった『ゆとり教育』だが、
この『ゆとり教育』がもたらしたものは、
当初のねらいとは全く違った対人関係育成の欠落した教育である。
逆に対人関係を破壊させる教育が生み出されていった。

今の『個性化教育・自由化教育・ゆとり教育』は、
そのような障害を修復させるどころか、
逆に助長させる教育にしかなっていない。




Click Here!教育の崩壊