以下は掲示板より
2005/03/24
ライブドアによるニッポン放送の敵対的買収が行われているさなか、
今日の毎日新聞に次のような記事が載っている。 要約すれば、 『ニッポン放送やフジテレビは、放送には社会的使命と公共的使命があると言っているが、視聴率競争に明け暮れる民放業界にそんなことをいう資格があるのか。』というものである。
そしてさらに、民放は『都合の良いときにだけ公共性を持ち出している』のではないかと訴え、 『一連の騒動は、既存メディアの公共性への疑問もクローズアップさせた』と結んでいる。
全く同感である。
しかしそれと相前後して、 昨日のNHKテレビニュースでは、民放三社が総務省から厳重注意を受けた旨の報道があった。
その内容は、 1.日本テレビ・・・2月15日放送のバラエティー番組「カミングダウト」というクイズ番組で、出演者の集団窃盗行為を題材に取り上げた。
2.テレビ東京・・・1月25日放送の「教えて、ウルトラ実験隊」で、出演女性に花粉症対策に有効とされる治療法の患者であるように偽って演技させた。
3.熊本県民テレビ・・・1月17日に放送した「テレビタミン445」で、女性に盗聴の被害者であるように偽って演技させた。
私はこれは大問題だと思って、翌日(今朝)の新聞を見たら、どこにも書いていないのである。こんなはずはないと思って今度は社会面の三面記事から読んでいってやっと小さな記事を見つけた。小さなベタ記事である。
しかも今朝メディアの公共性を主張したばかりの毎日新聞は、この事件を取り上げてもいない。 「いい加減な業界だな」 私はやはりそう思わざるを得なかった。
ライブドア問題の折りもおり、こういう問題がこんな新聞の片隅の三面記事扱いでいいのだろうか。たぶん目につかない人も多いに違いない。
民放も新聞もおなじ穴のムジナだとは思っていたが、
やはりこの業界、曲者である。自分に都合の悪いことは書こうとしない。 それでいて他人事のように『放送の公共性』について記事を書いていたりする。
日本のバラエティー番組のいい加減さは、このほかにも数え切れないほどある。
『総務省から厳重注意があったのなら、記事にしないわけにはいかないが、今の時期に一面トップで取り上げるのはいかにもまずい』 そういった思惑が見え隠れするのである。
彼らのホンネは、日本のバラエティー番組の低俗さを本当に是正しようなどとは思っていないのではなかろうか。 本当の熱意が今朝の紙面からは感じられなかった。
追記
次の日曜日、フジテレビ系の朝の報道番組ではライブドア問題を大きく取り上げていたが、民放のやらせ事件については全く取り上げていなかった。
それでいて、『放送業界には公共性と責任があるが、インターネットのような通信業界にはそういうものがない』などと、解説めいたことをいっていた。どこまで面の皮が厚い人たちだろう。
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