from 2001.5.9
書評・コラム・ダイアリーなど。
私達ほど、−そうだ、私だけのことでは絶対ないんだ!−祈りに絡まって生きている存在も、そう多くいはしないだろう。
隔たっている家郷がすでに祈りであり、彼岸の彼方に横たわっているのが、行き着けそうもない祖国だからだ。
それでも雑多な暮らしに追われて、日々がまぎれる。まぎれていなくてはその日が過ごせないほど、祈りは雑多な暮らしにこびりついているうずきである。
想い起こそうものなら、眠りなど蒼ざめるのがおちだ。だからそーっとしておく。
だからこそ祈りは、普段にまみれてひそんでいる。
「クレメンタインの歌」
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