中古ゼミ '2003記録帖

 後期の発表の順番も決まって、そろそろ自主ゼミも後半戦です。

 『紫式部日記』が終わりましたね。実際は「消息文」のところだけしか読んでいないわけですが、読んでみると紫式部の「生き方」が結構はっきりと現れていることがわかるように思います。定子と彰子の違いも強く感じましたね。何というか、清少納言と紫式部が両方のサロンの気風を非常によくあらわしているのではないかと思います。ただ、式部はとても複雑な人間だったとも一方ではわかります。知識を持っているけれども、それをひけらかしてはいけないと考えているあたり、特別扱いされたいけど目立つのは嫌だ、みたいな複雑な思いを式部は抱いて、ちょっと葛藤をしながら生活していたのではないかな、などと考えてしまいます。
 『紫式部日記』は、消息文以外でもおもしろい作品です。彰子の出産のことをメインに記述しているわけで、記録としてもなかなかおもしろいです。これから扱う『栄華物語』の巻八「はつはな」の記述は『紫式部日記』の冒頭とそっくりになっています。こんなところから前期から夏休み、そして後期のつながりができてくるんでしょうかね。本当は和歌などもやれるといいんですが、中古のすべてを網羅するのは限界があるので、今年はこんな方針にしたっていうことでかんべんしてください。
                                                       03.10.21管理人

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 12.31 年を越す前に年内の発表をウェブにあげておきます。
      「112段 あはれなるもの」
      「上に候ふ御猫は」の段
      「五月の御精進のほど、職に」