INOKI BOM-BA-YE 2002

実況内容 そのときの状況

タイマン勝負!男の裸祭り!見る者の中に眠る狩猟本能を供養するときがやってきた!つまらぬ日常から解き放たれて、祭りに埋没する瞬間が訪れた!これより聞こえてくる肉体の衝突音は、閉塞の時代から抜け出すカウントダウン!血沸き肉踊る格闘謝肉祭!イノキ・ボンバイエ!!

オープニングのナレーション

さぁ怪獣が吼えました!気合が入ってます佐竹!佐竹、長い旅路の終着駅!総合格闘技ラストファイトの時を迎えました!それだけに吉田を喰いたい!格闘技とオタクが交わる人間交差点佐竹!吉田との闘い!佐竹はこの埼玉に散ってしまうのか!ここはさいたま市大字上落合2!ここが佐竹の墓標となるのか!それとも吉田を喰えるのか!総合格闘技、佐竹は今日で卒業だ!全国の佐竹ファンの、今、仰げば尊しが聞こえてくる!吉田秀彦、格闘エリート、柔道エリートにどんな闘いを挑んでゆくのか気合を入れた!さぁ佐竹がリングサイドに到着いたしました!リングの旅ガラス!佐竹が今夜は決めます!さぁリングイン!今日が最後の打撃納め!どんな打撃納めを見せるのか!

第7試合 佐竹雅昭VS吉田秀彦
佐竹雅昭入場時

柔の奥義か!ケンカ空手の凄みか!さぁ寝技の底なし沼か!吉田秀彦、柔道パルチザンの入場であります!お馴染みの道着黒帯!風格の入場!威風堂々の入場であります!世界一裸足の似合う男!総合格闘技のリング3戦目にして余裕の表情!あのDynammite!ホイス・グレイシーとの一戦!そしてそのあとのドン・フライとの一戦!それとは見違えるような余裕の入場シーン!今ゆっくりとリフトダウン、まるで柔の宣教師のようだ!メダリストは今年突然変異を起こしました!そして今夜、佐竹の仕事納めに対してこの吉田、一年の締めくくりに締め上げるのか!出た!永遠の先輩顔!この顔です!必ず部室にいた先輩の顔!吉田秀彦余裕!風格ある入場シーンであります!純白の闘う羽衣!柔道着で出て参りました!この道着は合法的な凶器であります!入念な試合の前の最終調整!まさに威風堂々の入場であります!!

吉田秀彦入場時

闘う起き上がり小法師!佐竹行くか!一発一発にかける空手で過ごした20年間の思い!!

佐竹雅昭紹介時

立ち技コレクションから寝技の鬼と化すか吉田!あの寝技の福袋が待っている吉田!

吉田秀彦紹介時

己のその道着の袖を使っているか!道着は合法的凶器!

1R40秒過ぎ、吉田のフロントチョークが極まる

電光石火のフロントチョーク!佐竹が大の字!最後はフロントチョーク!一瞬の寝技!佐竹歯が立たない!吉田の電光石火余裕綽々!吉田あっけない勝利!赤子の手を捻るかのようだ!佐竹もあまりにもあっけない総合格闘技!その幕切れであった!吉田50秒の闘い!ホイス・グレイシーに袖車!そしてあのドン・フライに腕ひしぎ!佐竹に対してまるで蚊でも払うかのように、掴んだ瞬間から首を極めていった!!

第7試合終了後

サップブーム吹き荒れる日本列島!そこに高山が楔を打ち込むことができるんでありましょうか!さぁいよいよ地球規模のタイマン勝負の始まりであります!!

ボブ・サップの控え室前からのレポート後

一年経って今夜も親父魂炸裂か!さぁ年越し名物安田劇場!今年はどんな舞台リング模様を見せてくれるのか!闘う人間ドキュメンタリー!安田忠夫であります!まさに解説に就いている桜庭選手のあのベイダーのパロディーのように、精神がプロレスラーであるというその意思表示でありましょう!魔界倶楽部星野勘太郎の先導で1m93cm121kgの安田忠夫!さぁリングは間近であります!巨象が待ち受けています!アフリカ象が待ち受けています!

第1試合 安田忠夫VSヤン”ザ・ジャイアント”ノルキヤ
安田忠夫入場時

まさに二階からノルキヤ!暴れアフリカ象ジャイアント・ノルキヤ!

ヤン”ザ・ジャイアント”ノルキヤ紹介時

ノルキヤという摩天楼解体の現場監督と成りえるか!

安田忠夫紹介時

まずは突進とあのしがみつき!ノルキヤを捕らえてからそれからアフリカ大陸をどう料理していくか!

試合開始直前、安田の作戦を推測

まさに人間ぬりかべ状態だノルキヤ!

1R20秒過ぎ、なかなか倒れないノルキヤに対して

分厚い背中ノルキヤ!背中はアフリカのサバンナを思わせる!そして胸元もだ!このひとり喜望峰!

ノルキヤの巨体と体毛を見て

無理心中殺法を試みるか安田!組みついて抱きついて倒すという、これのみでいってもらいたい安田であります!

1R1分過ぎ、なおも組みついていく安田

脅威の重爆パンチ!ノルキヤの重爆パンチを受けるとマズイ!南アフリカの鉄砲水!あのパンチをもらっては安田とてひとたまりもありません!

1R1分30秒、ノルキヤが安田をコーナーに押し込みパンチを放つ

安田危ない!キックの集中砲火!パンチのスコール!

1R終了後

猪木祭!恒例の猪木の登場か!超満員35674人札止め!格闘技ファンがひとつになる瞬間がやって来た!群衆がライトに照らされている中、ご覧下さい!金色に光り輝く神輿の登場だ!猪木のテーマに、このボンバイエのテーマになぜか古式ゆかしい日本の祭!この神輿がよく似合います!神輿は神と人間の中継基地!祭の語源は、神に仕え祀るとあの本居宣長は説きました!猪木は今夜、神に対する貢物をリングに供えるのか!その神への生贄は猪木、己自身なのか!それとも別の選手!別の男なのか!神輿が猪木の方向に少しずつ進んでいきます!猪木祭の幟!戦におけるその合戦の始まりを告げるのか!それとも神と交信する祭の儀式なのか!格闘技ファンがのっています!神輿が猪木の方へ、徐々に近づいていきます!さぁ神輿が止まりました!一旦停止いたしました!猪木の登場だ!猪木がまるで神の光臨のように!純白の衣装でリフトアップ!大歓声35674人!アントニオ猪木であります!大晦日恒例猪木祭!猪木コールの大合唱であります!今回も全国行脚を展開してまいりました猪木!己自身の闘魂、闘う魂を神社に奉納しようというのか!さぁ神輿サイドにやってまいりましたアントニオ猪木!おっと!金色の神輿に今猪木がまたがろうとしている!猪木が今またがった!そして猪木が移動する!正面に回り込む!猪木が立ち上がった!さぁ猪木が頂点!下で男たちが揉んでいます!神輿と猪木が揉まれている!思えば日本には大小6万3千の祭があります!日本は神とつながる祭の国であります!北から札幌雪まつり!青森ねぶた祭!秋田竿燈まつり!仙台七夕祭り!花笠祭り!相馬野馬追!秩父夜祭!大原はだか祭り!浅草三社祭!真鶴貴船まつり!諏訪御柱祭!高山祭!天神祭り!岸和田だんじり祭!祇園祭!灘のけんか祭り!春日若宮おん祭!那智の火祭!阿波踊り!金毘羅祭!博多どんたく!博多祇園山笠!阿蘇の火祭!長崎くんち!弥五朗どん祭り!糸満ハーレー!さぁそういった様々な祭の中に新たにこの大晦日の猪木祭が組み込まれたのでありましょうか!猪木祭けんか祭最高潮!扇子をくわえた猪木!この宴の中、猪木が練り歩いていく!猪木の闘魂キャンドルサービスだ!男たちが猪木と神輿を支えている!本来、この神輿担ぎは男の仕事であります!男が男であること!また男が男らしくあることが窮屈になってしまった時代!本当は女のほうが男らしいということが薄々わかってしまった時代!男たちは今猪木を担ぎ上げて、猪木を通して、男であることを確認したいのか!神輿担ぎの主役はもう一度言う!男であります!!

第5試合終了後、神輿に乗ってリングインする猪木

闘魂一番搾り!藤田の登場であります!さぁ!日本のボス猿!炎のファイターオーケストラバージョン!その哀切のメロディーに乗せて真紅の闘魂タオルに身を包んで藤田和之入ってまいりました!盟友ブライアン・ジョンストンが身に纏うはずであったガウン!それを着用して今藤田と猪木!格闘者しかわからない、お互いに犬笛のような波長が交錯している!猪木の待つリングに向かうぞ藤田!さぁゆっくりと登場!そして後方からブライアン・ジョンストンが入ってまいりました!ここ数年天国と地獄!これを行き交う渡り鳥であった藤田!その後ろからこのブライアン・ジョンストン!2001年8月19日!対決のときにロッカールームでこのブライアン・ジョンストン!突如脳梗塞に見舞われました!現在リハビリに励んでおります!その盟友ブライアン・ジョンストンが後ろからゆっくりと行く!思えば、このジョンストンが藤田を持ち上げたマーク・ケアーとの戦慄の一戦で勝利の雄叫びを上げるこの藤田を抱き上げていた!さぁ藤田がエプロンサイドに近づいてきた!リング内を窺います藤田和之!さぁ船橋出身!ザウスは消えたが藤田は消えず!そしてブライアン・ジョンストンゆっくりと!ドラマ逆巻くそのガウン!間もなく藤田はそれを脱ぎ去ります!猪木と藤田!最後の闘魂を猪木が注入しているのか!相手は並大抵の相手ではない!!

第6試合 藤田和之VSミルコ・クロコップ
藤田和之入場時

さぁまたも交わる因縁という名の糸!1年4ヶ月前、奇しくもこの同じ場所で会い見えた両雄!ミルコと藤田!二人の時計は今2001年8月19日から全く動いていない!二人の間の止まっていた砂時計!その一つが今動き出しました!ミルコ・クロコップ!寝ても覚めてもハイキックミルコ!ハイキック原理主義者の入場だ!まるで祈りを捧げるかのような仕草!激しくて、悲しくて、その東欧の拳を振り上げるか!冷徹な天狗のような表情だ!藤田は背を向けている!まるでハリウッド映画の敵国の悪役キャラだミルコ!さぁゆっくりとミルコ入ってきた!ヨーロッパの火薬庫、ミルコ・クロコップ!あの左からの発砲!ハイキックが怖い!そして絶妙のタックル切りが怖い!クロアチアの首都ザグレブに身重の新妻を残しての闘いだ!まさに闘う出稼ぎ!蹴りの単身赴任だミルコ!あのシウバ戦引き分け!桜庭戦TKO!幾多の闘いを乗り越えての藤田戦!!

ミルコ・クロコップ入場時

手負いの格闘原人!藤田和之!電撃の高速タックルが決まるか!!

藤田和之紹介時

素足の辻斬りマフィア!蹴りの一輪挿し!ミルコ!!

ミルコ・クロコップ入場時

さぁターミネーターと筋肉のロボコップの闘い!1年4ヶ月前の闘いが蘇る!!

試合開始直前

タックルものれんに腕押しか!タックル切り!あの闘いが蘇る!もう藤田はひとり忠臣蔵の気持ちか!まさに藤田、平成の世の過激なセンチメンタリズムだ!!

1R30秒過ぎ、藤田がタックルを仕掛けるがミルコが切り、攻めあぐねる藤田

あのクロアチアのかまいたち!左ハイキック!あれを喰らったらひとたまりもない!!

ミルコのハイキックの凄さを形容

さぁ小刻みなパンチでミルコの牙城を切り崩して本丸に乗り込んでいきたい藤田であります!ミルコの冷血鬼のような無駄のない肉体!そして精神力に切り込んで行きたい!ミルコの精神とスタミナの本丸だ!それを切り崩したい藤田であります!1年4ヶ月前の屈辱!今回は完全決着を狙っていく藤田!

2R2分過ぎ、ガードポジションの状態で上から攻める藤田

あの眉間に喰らった戦慄のヒザ蹴りの記憶が蘇る!

3R2分30秒、ミルコが藤田の頭部へヒザ蹴りを叩き込む

地球規模のタイマン勝負の始まりだ!この闘いは人間の生態系を越えているのか!野獣と狂犬!美女がいないディズニー映画!金髪と野獣の闘いだ!さぁ出てまいりました!舌なめずり!全国の男共よ!この高山という男の死に様を見よ!高山玉砕の美学か!自爆するダンディズムか!誰が好き好んでサップと闘おうというのか!深い呼吸一発!大晦日高山善廣未知との遭遇!さぁ出てまいりました!格闘界の屋根を笑って歩き続けてまいりました男!高山善廣!この形相が歴戦を物語っている!今夜もしかするとサップをかっさらうのか!出てまいりました!この金髪のナマハゲが果たしてサップをかっさらうか!金のたてがみを今なびかせながら、暴れひのえうま!高山善廣の入場!2メートルに届かんとする、サップに引けをとらない身の丈!124kg高山!進化する顔面サンドバッグ!さぁ今夜はリング上でサップというあの凄まじき大仏のすす払いを敢行するのか!格闘ドランカーだ高山善廣!左肩の負傷は癒えたのか!今年の6月、PRIDE22あのドン・フライとの壮絶な殴り合い!これはいまだ記憶に新しいものがあります!サップ退治を敢行できるか!それとも玉砕か!高山生き様を見せるか死に様を見せるか!お得意のポーズでリングインであります!サップにエベレストジャーマンをぶつけるか!!

第8試合 高山善廣VSボブ・サップ
高山善廣入場時

スペースオデッセイ、2001年宇宙の旅!この男にとって2003年日本はまさに格闘マーケットの旅であった!間もなくあの凄すぎるあのずるすぎる肉体!ひとり定員オーバー!ボブ・サップの入場!日本はこの一年、サップの年であった!日本に圧力をかけたのか!あるいは日本の、閉塞する日本の救世主か!2002年最後の晩餐は高山か!出てまいりました純白のコスチューム!この肉体!今年一番行列のできた肉体!ひとりサファリパーク・サップ!リズムを刻んでいる!この凶悪な肉襦袢!恐れを知らない!無類の強さはIQの高いゴリラ!そして無類の可愛さ愛嬌は陸上のタマちゃんか!人はよく等身大で生きたいなどと呟きますが、このサップはあまりにも大きすぎる等身大!高山が見据えている!さぁこのサップの好物は写真とフィギュアと人間!高山を喰い散らかすか!打撃のひとつひとつがまるで銀行のATMまで破壊するショベルカーのようだ!

ボブ・サップ入場時

倒れるときはいつも前のめり!狂気の桜!高山だ!

高山善廣紹介時

ビーストタックルかビーストハリケーンか!

ボブ・サップ入場時

まるで青梅のようなその脳天、頭部のあたりの溝!

1R30秒過ぎ、ボブ・サップの頭を見て

また高山の目が塞がった!凄まじい形相の高山!こういう形相になりながらも、あえて死に様を見せていった!よくぞ俺と闘った!このモンスター、化け物である俺とよく闘ったというサップ!2002年の仕事納め!最後の料理!その素材になったのは高山であった!無類の強さ!ストップ・ザ・ビースト!これを成し遂げるのは誰なのか!ファンも腕組み!もうサップの強さに対してどうしていいかわからない!高山の形相!右目の瞼そして目の下!完全に目が塞がっています!ボブ・サップ、ガードを相手が固めていても顔面を粉砕していくというあのグラウンドでのパンチ、スタンドでのパンチ!その凄まじさを唯一物語っているのが高山のその右の瞼!高山の見事な死に様!玉砕でありました!!

試合終了後

神輿に続いて猪木2回目!サップという怪物の上!強引に20秒前!非常識なカウントダウン!絶対違う!これは合っていない!しかしこのさいたまスーパーアリーナは猪木時間!猪木磁場の猪木時間!勝手に一足早い世界に先駆けてのカウントダウン!こんな非常識なカウントダウンはない!猪木のダァーと共にカウントダウンが終了いたしました!もう何が何だかわからない猪木時間!

全試合終了後、まだ0時じゃないのに勝手にカウントダウンを始める猪木



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