四間飛車の散歩道 No.23

B級戦法の達人プラスの真実ー擬装宗歩四間ー

B級戦法の達人プラス特集第8弾。
今回から振り飛車側の戦法になる。
宗歩四間とは江戸時代から伝わる四間飛車の形で美濃囲いを使わず、
角交換して2枚の銀で強く攻める攻める四間飛車である。
宗歩が多用したところから宗歩四間の呼び名がついたらしい。
別名 錆刀定跡 と呼ばれることもある。
詳細は四間飛車カタログのほうにあるのでそちらを参照してください。

今回のテーマは宗歩四間の形に進めたとき居飛車が穴熊を目指したらどうなるかというもの。
もともと宗歩四間は角交換型の急戦定跡なのに穴熊を目指すのは少し無謀の様な気がするのだが。
よく考えると対居飛穴の戦法に立石流を始めとする角交換型の戦法が散見されるため
四間飛車が良くなってもなんら不思議はない気がする。
ただ通常の美濃囲いよりも玉が薄いのがどう響くかであろう。
さて本線は下図。

流してみてちょっと違和感を感じた。
居飛車側が無策すぎないか?
この次の題材である変幻飛車もそうだが振り飛車編はかなり荒い気がする。
それだけ実践例も少ないということなのだろう。
さて上掲の二つの手順を見てみよう。
穴熊にちゃんと組ませてその間に攻撃陣を築くという狙いである。
私の感覚では振り飛車少し無理気味ではないかと感じてしまう。
振り飛車の玉が薄すぎるし、居飛車も後手番でもあるし穴熊に組めれば満足と言う見方なのではないだろうか。
さらに言うと居飛車はもっと大胆な手順を選んで欲しい。
極論するとこのような形は食いつけば勝ちなのである。

居飛車側の対策を挙げるのはどうも違和感がありますね。
このような戦型では工夫の余地がありすぎるので特にこれという手順はないと思われます。
敢えて挙げるなら、

左美濃に組む
振り飛車陣はどう見ても発展性に乏しいので左美濃から銀冠に組み替え玉頭で圧迫するのが良い。
端美濃に組む
玉頭攻めが早くにくる可能性は無いので端美濃でも充分対抗できると思います。
飛車先不突きで居飛穴を目指す
△8四歩を省略し▲7五銀を空振りさせる。

等が有力と思います。
逆に言えばこれらの対策をしておかないとこの戦法は指せないわけです。
これは研究課題ですね。
どなたか研究された方はこっそり教えてください。

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