四間飛車の散歩道 No.22

B級戦法の達人プラスの真実ー端美濃囲いー

B級戦法の達人プラス特集第7弾。
基本図は初期の藤井システムの形。
現在の視点では少し違和感を感じる駒組みだがアマチュアではあり得る局面かもしれない。
もっとも持久戦系の将棋なのであまり関係ないと言えば関係ないのだが。
またこの本では端美濃囲いと紹介されているが
某田中寅9段は串カツ囲いと呼んでその著作で研究手順を紹介している。
何年か前に近代将棋誌の付録でも取り上げていたように思う。
さて本線は何本かあり、参考までにいくつか採り上げる。

本に載っている手順で注目すべきは▲8六歩。
△8五桂からの端攻めの緩和と玉の広さ、発展性を確保している。
反面角筋に極端に弱くなるという面もある。
損得は微妙と言うより無い。
本の手順は上手く角筋で攻められないように工夫していてかなり勉強になる。

端美濃は穴熊の苦戦により出現した産物である。
穴熊よりも一手早く囲うことが出来る上に
横からの攻めには穴熊と同等の堅さを誇る。
また藤井システムの骨組みの一つである角筋を未然にかわしている意味もある。
プロ間で今までに何局も指されているだけに研究も厚く、
その分頁数も本の中でもっとも多い。
それだけ有力な戦法ということなのでしょう。
しかし玉頭が薄いのが最大の欠点で縦攻めに慣れた昨今の振り飛車相手にはかなり苦戦しているようだ。

こう持久戦型では変化も膨大ですし
端美濃相手に漫然と組むのはまず作戦負けと思うので急戦の結果3図までの変化での研究を載せておきます。
プロ間でも出る戦法の結論を私の棋力で出せるわけもないので自分で研究して下さい。(笑)
参考までに久保ー郷田戦の変化を一部載せておきます。


back   top