四間飛車の散歩道 No.20

B級戦法の達人プラスの真実ーポンポン桂vol.1ー

B級戦法の達人プラス特集第5弾。
基本図は古典定跡型。
知っている人なら「ああ、あれか」と思うでしょう。
定跡の結論は振り飛車良し。(参考1図)
ここからちょっとした工夫を見せてくれる。
本線は下図。

眼目は ▲6八銀 。
こういった手待ちは本来振り飛車は歓迎なのだが、このタイミングは難しいのである。
△7四歩 か △1四歩 に手が行くのが普通だろう。
△7四歩 は上の結果図まで居飛車良し。
△1四歩 には参考2図とし、 △1四歩 を強要した事に満足して通常の浮き飛車に構えて居飛車充分。
というのが居飛車の主張である。
ちなみに△1二香には▲1五歩と突き越して7四歩を強要する。

△7四歩を突かせることにより▲8六桂や▲6四角成りなどの隙を作らせている。
おまけに▲6八銀で中央と横を厚くしている。
この交換は明らかに損に思える。
しかし、こんな手順を成立させるのもしゃくである。
色々考えた結果、以下の順が最善ではないかと思うようになりました。

私の選択は既存の定跡に背を向ける△3二飛。
変な手に見えるかもしれないが
「攻められた筋に飛車を振り直す」という振り飛車の基本に忠実な手である。
これが意外と難しいのである。
▲4六銀は△7四歩が生きる展開。△1四歩の手待ちに比べて数段優る。
しかし▲4六銀が駄目となると居飛車は攻めが軽くて往生するのである。
▲3六飛なら変化1図までは一本道。
こうなれば振り飛車捌け形。
▲3四歩の取り込みは振り飛車手得で不満無し。
居飛車は次の仕掛けを作るのに苦労しそうだ。

さかのぼって▲6八銀に△6三金も考えられるが
△3二飛の変化に持ち込んで捌き合う時の事を考えると
必ずしも得になっているとは考えにくく、
それなら陣が低い方がいいというのが私の考え方です。

さてこの変化は成立しているのでしょうか。
だれか高段者の方にご教示願いたいものです。


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