四間飛車党 養成講座

2.4 終盤の寄せ・受け








終盤は一局の内で最も重要である。 序盤中盤で有利にしても終盤でそれを生かして勝ちまで持って行けなければ意味がない。 この終盤は「寄せ」と「受け」という二つの部分から成り立っている。
簡単に言うと、
相手玉に自分の攻め駒が近づいていく事が寄せ、
相手の攻めを受け止めたりかわしたりする事が受け、
である。
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初心者にとって特に大事なのは「寄せ」であろう。 上手に寄せることが出来るようになればかなり勝てるはずである。 指針に成りそうな言葉を見ていこう。

終盤は駒の損得よりも速度
と言われるが初心者には少し難しいと思う。
まずは「切れない攻め」という言葉を覚えよう。
ここで「切れない」とは途切れないぐらいの意味である。
この切れない攻めの代表に「と金攻め」がある。
と金で攻めるのは一番確実なのだ。

歩2枚が銀になりさらに金との交換が確定する。
瞬く間に居飛車の囲いが崩壊したのが分かるだろう。
このようにと金で攻める手は非常に強力で且つ速い。
と金攻めはのんびりしていて気が利かない様に見えて実はすばらしい攻め方なのだ。
他に囲い崩しの色々な手筋があるが、
と金でじわじわと攻めていく筋を使いこなせるようになれば
攻めが切れて負けることがなくなるだろう。
もちろん普通の駒で攻めるのも常に有力であり、
実戦ではと金攻めとどちらが速いか或いは確実か判断して寄せの手を選ぶ必要がある。
また二つを組み合わせる事が出来れば寄せはほぼ卒業である。

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次に受けを見ていく。
実力がはっきり出るのが「受け」の部分である。
とは言っても考え方はそんなに難しいものではない。

美濃囲いは非常に優秀な囲いであるが受けるべき所はしっかり受けないとすぐ崩されてしまう。
受け方を2つ紹介しておく。

美濃囲いは玉に近い方の金が要の駒である。
これさえ取られなければよい。

この様な形で金を狙ってきたときは、すかさず▲3九金とよるのが常套手段。
角でなく桂などで狙ってきても寄れば速い攻めがなくなる。
居飛車が次の攻めを準備する間に攻めていけばよい。

「底歩」は美濃囲いには重要である。
中盤の進め方の項で五筋の突き捨てが重要と書いた。
これは寄せの時に五筋に歩を打ってと金を作る狙いの他に
受けでは底歩という強力な手段が生じるのである。

図のように金の下に歩を打つだけで何倍にも堅くなったのが解るだろうか。
初心者同士の対戦では居飛車もこの形の攻め方が解らず楽に勝たせてくれるかも知れない。
こうやって自陣を厚くしながら戦うのが振り飛車流の勝ち方である。
歩が一番安い駒なので歩を打つのがよいが、
5筋の歩が切れていないときは香や桂などの同じく安い駒で代用するのも良い。

ちょっとまだ早いかもしれないが
「駒の損得より速度」は受けの時にも忘れてはいけない。
心の片隅にでも留めておいて欲しい。





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