ここまでで序盤の駒組みを覚え、無難に序盤を進めることが出来るはずだ。
駒組みは覚えればある程度何とかなるが、中盤はそうはいかない。 感覚を磨いていくというのが重要で、その中に振り飛車の手筋を覚えることが内包されているのである。 四間飛車の場合自分から仕掛けていくよりも相手の仕掛けを待つのが基本である。 相手の仕掛けを利用して強烈な反撃を狙うという感覚を学ばねばならない。 藤井猛9段は振り飛車の極意は「相手の力を利用して投げる」とおっしゃられている。 この延長に「捌く」という振り飛車独特の感覚が存在するのである。 では「捌く」とは何か?
図はある仕掛けの直前の形から角銀桂を持ち駒にして、
互いに飛車を成り込んだ局面である。
これが実は振り飛車良しなのである。
具体的な手段を見ていこう。 まず「攻められた筋に飛車を振り直す」というのがある。
次に「手に乗って捌く」や「軽く捌く」と呼ばれる手段がある。
いずれも四間飛車のエッセンスとなる重要な言葉である。
これらの言葉を思い出しながら中盤は指せばよい。
今話してきたのは対急戦の場合で
持久戦(左美濃、穴熊、位取り等)の場合には当てはまらないことを注意しておく。
これらの戦型では相手の玉が不安定な時に仕掛けを狙うのがよい。
中盤で気にしておきたいものの一つに5筋の歩がある。 この5筋の歩を突き捨てておくと攻防に自由に歩を使うことが出来る。 5筋の歩をタイミング良く突き捨てて攻防に歩を使えるようになればこの講座は卒業であろう。 これを意識するとぐっと中盤の振り飛車のセンスが上がるはずである。 | ||