本書は、塚田賞や詰将棋パラダイスの半期賞を数多く受賞した巨匠、巨椋鴻之介が、その人生をかけて完成させた詰将棋作品集です。中長編の詰将棋が中心の作品集ですが、単に難解な問題を並べたものではありません。解いたときの快感を意識して数々の趣向に挑戦してあるので、解後感のよさが特有のものになっています。 また大きな特長として、本書は一人の詰将棋作家の自伝になっています。決して傑出した才能の持ち主ではないと自覚する著者が、試行錯誤を繰り返しながら成長していく様が記されていて、その道程が詰将棋ファンにとっては興味深く、楽しめる内容になっています。 ぜひ本書の作品を並べて構想の妙と美しい手順を味わい、詰将棋の素晴らしさに触れてみてください。