本書のテーマは相穴熊です。昔からの人気戦法ですが、藤井システムの勢いが一段落した現在、居飛穴の堅さに対抗する手段として注目を浴びています。 振り穴を得意とするプロ棋士広瀬五段と、「アナグマン」と呼ばれるほど穴熊を得意としている遠藤アマ七段が、相穴熊の序・中・終盤それぞれのテーマ図に対してそれぞれの形勢判断と狙い筋を示し意見をかわしています。 広瀬五段はプロらしい鋭い着手と正確な速度計算を披露。いっぽう遠藤アマは時間の短いアマ大会で鍛えられた、実戦的な指し回しを随所に見せています。相穴熊を指しこなすコツが満載で、勝率アップ間違いないでしょう。
第1章 相穴熊の基本的な戦い 四間飛車基本1図 振り飛車5二金型 四間飛車基本2図 振り飛車6一金型 三間飛車基本図 守備金の寄せ方 第2章 相穴熊における終盤戦の考え方 穴熊の特性 ゼットと速度計算 相穴熊仮想A図 6八金、6二金型 相穴熊仮想B図 7八金、7二金型 相穴熊仮想C図 5六歩、5四歩型 第3章 実戦における考え方 テーマ1 定跡形からの仕掛け テーマ2 桂香を簡単に取らせない テーマ3 終盤の入り口からの速度計算 テーマ4 飛車先の受け方 テーマ5 負担になりそうな駒のさばき方 テーマ6 強襲の成否1 テーマ7 強襲の成否2 テーマ8 有利な側の指し方と不利な側の指し方 テーマ9 苦戦を強いられたときの考え テーマ10 後手の穴熊で狙う駒はどこか テーマ11 ビッグ4攻略法 テーマ12 わかりやすい寄せ形を狙う テーマ13 逆転を許さない寄せの構図 テーマ14 と金攻めを間に合わさない テーマ15 後戻りできない攻め合いでの考え方 テーマ16 食い付ける形の認識 テーマ17 大駒の働きの重要性 テーマ18 手抜くべき場面とは テーマ19 形を決めて優勢から勝勢へ テーマ20 決めどころを逃さない寄せ テーマ21 一気の寄せと回り道の寄せ テーマ22 相手の駒の働きを抑える受け テーマ23 終盤戦の詰めろの掛け方と考え方 テーマ24 攻め合いか受けきりか テーマ25 手数を稼ぐ受け テーマ26 ゼットを作る受け方 思い出の相穴熊戦 参考棋譜