この本を読め!
-四間飛車定跡書総合ガイド

著者:中川 大輔
出版:浅川書房
発行:2006/12
価格: \ 1575
対象棋力:初心者-初段前後
評価:

「なんで右四間なんだ?」などとヤボなことは言わないで。これが実におもしろいのです。忘れかけていた「将棋の楽しさ」を思い出させてくれるような本です。
もともとこの企画は「いまの将棋の本はつまらない」という著者の気持ちからスタートしたもの。「アマチュアがプロの真似事ばかりしてどうすんだ?」という思いがあったのかもしれません。
それだけに実におもしろく、アマチュア本位に書かれています。「将棋(趣味)の本はこうでなくっちゃ」というべき「理想」がたくさん実現されています。帯コピーは「理想の定跡書。小気味よい手順、親切な解説。知られざる必殺戦法をマスターせよ!」
本書は次の3部構成です。 第1章 四間飛車を攻めつぶす 第2章 矢倉を攻めつぶす 第3章 プロレベルの右四間
第1章は四間飛車中心。従来の右四間とはまるで違う手順で、知らないとまず受かりません。さらに具体的な「寄せ方」にも踏み込んで解説しているのが親切で、「この場合は端」「この場合はヨコから」と、相手の手に応じた場合分けもわかりやすい。対振り飛車の終盤で苦労している方は必読です。また、他の振り飛車で来た場合についても考えます。
第2章は矢倉編。相手はちょっと受けまちがえるのですが、それでも四枚矢倉で粘ってきます。これを攻めつぶす。「攻め」や「寄せ」を覚える章です。
第3章はプロレベル編。こんどは相手も最強の受け、最強の反発で応じてきます。それをどうつぶすか。「中川流」の研究がふんだんに入り、資料としての価値も高い。とにかくまったりした駒組みにはなりませんので、とにかく楽しい!
本書はすべて後手番の右四間を考えますので、実戦で先手番なら、さらに有利になります。

第1章 四間飛車を攻めつぶす
第2章 矢倉を攻めつぶす
第3章 プロレベルの右四間