居飛車穴熊が現れてから、四間飛車側はその堅さと遠さに苦戦を余儀なくされたが、近年になって対策が進歩し、互角の戦いを繰り広げられるようになった。対居飛車穴熊の作戦としては穴熊そのものを直撃する藤井システムが有力だが、本書は普通に美濃囲いに組む指し方を取り上げた。玉の薄い藤井システムよりもアマチュアの間では盛んに指されているようだ。大事なのは序盤の△4五歩。角交換を迫ることで居飛車穴熊側に▲6六歩を強要させ、四間飛車は△4四銀と上がる積極的な駒組みを築いていく。5筋からの攻めを見られた居飛車穴熊は思うように駒組みを進められない。もちろん居飛車穴熊側にも新しい対策は出現し、本書には最新の攻防がびっしりと収められている。本書を読まずに四間飛車は語れない。
第一章 居飛車穴熊の駒組み 第一節 居飛車穴熊の駒組み 第二章 9五歩・4四銀型四間飛車 第一節 後手5四歩型 第二節 後手7四歩型 第三章 5四銀型四間飛車 第一節 先手6七金型 第二節 先手6八金寄型 第三節 後手6二飛型 第四章 4三銀・4五歩型四間飛車 第一節 ▲6六歩の変化 第二節 ▲2二角成の変化