2000 1 20
YEAR 2
♪〜♪ Happy Birthday to me ! ♪〜♪
移植して今日で丸2年なのだ。やっと2歳でちゅ。思えばこの2年、いろいろありましたなぁ。
しかぁし、免疫力の固まったオトナへの道のりはまだまだ長い…。
  2 2 今日もいつも通り外来。血液検査のみ。結果異常なし。次の外来は2月14日。

最近外来に行くのも辛い。病院の玄関までは父親に車で、病院内では母親に付いてもらい受付をしてもらう。 内科外来の受付から採血の処置室までたった50m程度であるのに酸素ボンベを引きずりながらフゥフゥいって歩く。 ようやく処置室の待合ベンチにたどり着いても息が切れていて横になる。たくさんの人が『おいおい、こいつ大丈夫か?』という目で見ているのが分かる。 でも私にしてみればそんなことはどうでもいい。空気中で溺れているのだから。 あんまり調子が悪いんで空いている診察室のベットで横になって診察の順番を待つ。 ベットに横になったまま先生の診察。書類は母親に運んでもらって、お昼過ぎにようやく会計が終わる。 薬をもらって父親に電話。迎えに来てもらう。

全く最悪だ。病院に行くのもままならない。この歳で両親に世話してもらう日々だ。 これでも頑張っているんだ!いや病気のせいにして甘えているんだろう?自問するだけ…。

    14 今日もいつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査を行い特に変化なし。参考に今回の血液ガス検査結果を以下の通り。

PO2(酸素分圧)…111.3mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…62.6mmHg(39±7)
O2SAT(酸素飽和度)…98.4%(94±2)

今回はPO2やO2SATがいいように見えるが、毎分3リットルの酸素吸入時(いつもは2リットル)のものなのでこんなもの。 相変わらず、PCO2が高いのには困ったもの。次回の外来は2月28日。

    28 今日もいつも通り外来。血液検査のみ、異常なし。

今日も両親についてきてもらう。やはり病院内で横になる始末…。次回外来は3月13日。

  3 2 朝起きると右胸の肋骨周りが痛む。以前痛くなったところと同じだ。またしても肋骨が折れたのか? シップして様子を見る。
    5 さらに左胸、わき腹から背中にかけて激痛が走る。息を深く吸うと何か刃物で刺されているような痛み。 何かおかしい。しかし、これも過去にあった症状。シップして安静にしておく。
    8 胸の痛みは引いて楽になる。まだ咳き込んだり体をねじると痛いが峠はこえたみたい。
    13 今日もいつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査を行い特に変化なし。 今回の血液ガス検査結果を以下の通り。

PO2(酸素分圧)…109.3mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…79.5mmHg(39±7)
O2SAT(酸素飽和度)…98.2%(94±2)

今回も毎分3リットルの酸素吸入時(いつもは2リットル)のもの。相変わらず、PCO2が高い。次回の外来は3月27日。

    27 今日もいつも通り外来。血液検査、血液ガス検査を行う。 炎症所見(CRP)が1.8とちょっとだけ高い。 風邪をひきかけているのかも。要注意で抗生剤クラリスを処方される。今回の血液ガス検査結果を以下の通り。

PO2(酸素分圧)…82.1mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…77.0mmHg(39±7)
O2SAT(酸素飽和度)…95.3%(94±2)

今回は毎分2.5リットル吸入時(いつもは2リットル)のもの。相変わらず、PCO2が高い。次回の外来は4月10日。

  4 10 今日もいつも通り外来。 血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲンと行い特に異常なし。 今回の血液ガス検査結果を以下の通り。


PCO2(二酸化炭素分圧)…69.4mmHg(39±7)
O2SAT(酸素飽和度)…96.5%(94±2)

今回も毎分2.5リットルの酸素吸入時(いつもは2リットル)のもの。 PO2(酸素分圧)をメモし忘れる。 幾分PCO2が低くなったが症状は変わらず。 次回の外来は4月24日。

    24 いつも通り外来。血液検査のみ、異常なし。
今日も両親についてきてもらう。やはり病院内で横になる始末…。次回外来は5月8日。
  5 8 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲンと行う。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…118.6mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…84.1mmHg(39±7)
O2SAT(酸素飽和度)…98.3%(94±2)

今回PCO2が高め。測定までに充分な休息が足らなかったためだと思われるが、体内に掃けきれない二酸化炭素が溜まっているのは確かだ。最近毎分 2リットルの酸素では辛いので、自分の判断で2.5や 3リットルにすることがあった。 そのときは多少楽になるが、それを続けているとかえって二酸化炭素が溜まり易いそうだ。 これはPO2が118.6mmHgと基準値以上であることで分かる。
要するに酸素も吸いすぎは毒だということ。先生の勧めもあって今後は平常時酸素2リットルで過ごすことにする。 慣れるまで多少辛くなりそう。
次回の外来は5月22日。

    22 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…85.6mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…81.6mmHg(39±7)
O2SAT(酸素飽和度)…96.3%(94±2)

5月10日に岡山大学付属病院で行われた生体肺移植について主治医の先生と話をする。 今回の肺移植患者さんは私と同じ『骨髄移植後のGVHD、閉塞性の細気管支炎』という診断だったということで、私の場合今後どういう処置をすべきか岡山大に問い合わせて頂いた。とりあえず、病状の侵攻状況を知りたいということで急遽26日、胸部CTと肺機能検査を行うことになった。1999年に行った検査と共にデータは岡山大に運ばれる予定。
次回の外来は5月26日。

    26 予定通り胸部CTと肺機能検査。待ち時間なくスムーズに終了。主治医の先生に感謝!
次回の外来は6月5日。
  6 5 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…73.0mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…90.9mmHg(39±7)

やはり二酸化炭素のはけが悪い。だんだん悪くなっているようだ。 見る人が見れば分かるだろうがとてもツライ値だ。
26日に行った胸部CTと肺機能検査の結果は岡山大に運ばれ、 私の肺の症状と肺移植の検討結果についてその返答を主治医づてに聞いた。 やはり診断結果は『閉塞性の細気管支炎』で今回詳しい値などは話に上がらなかったが、 一年前のものと比べてやはり進行しているとのこと。 生体肺移植の可能性として両親と兄のドナーの検討されたが、 みんな私より体格が小さいのでそれぞれの肺活量を検査してみないと分からないとのことだった。 そこで早速両親については明後日肺機能検査を行う。 兄は神奈川県在住なので近くの病院で行ってもらい結果をFAXしてもらうことにした。
次回の外来は6月19日。

    7 両親が肺機能検査を行う予定だったが、 父は血液型がAB型で私と異なることから移植は出来ないと判明。 母のみ行う。結果は即日だが、兄の結果も一緒に岡山大に発送するため兄の検査待ち。
    8 兄は神奈川県川崎市在住なのでそちらの病院で肺機能検査を行う。結果は今日中に頂きFAXしてもらう。 これで母と兄の肺機能検査結果も揃い主治医づてに岡山大へ発送され、後は返答待ちだ。
    15 岡山大から主治医づてに返事がくる。結果から言うと× 兄も母も私より体格が小さく、特に母の肺活量が同年齢女性の6割程度しかないらしい。 もしこの2人から肺を移植したとしても私の全肺の39%にしかならないとの計算結果がでたそうだ。 50%を越える計算結果が得られそうでないと移植には踏み込めないとのこと。

残念な結果だけどある程度予想していた通りで、そんなに落胆はしていない。 しかしある意味、私の闘病生活の区切りではあるんだろうなと思う。

    19 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…97.4mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…93.0mmHg(39±7)

主治医からは岡山大からの返答について重ねて説明あったがその内容は何も変わらない。主治医の先生は他に何かしてほしいことはないかと尋ねるが、それって愚問でしょ!?
次回の外来は7月3日。

  7 3 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…75.1mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…103.5mmHg(39±7)

やはり二酸化炭素のはけが悪い。
今日は病院に着くなり車から降りて即車椅子を用意してもらった。 酸素ボンベを両手に抱え、母に押してもらう車椅子の乗り心地はなんとも複雑だ。 次回の外来は7月17日。

    17 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…98.1mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…102.1mmHg(39±7)

次回の外来は7月31日。

    18 今日はホントのバースデー。なんと29歳になったとさ。
    31 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…72.6mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…96.9mmHg(39±7)

次回の外来は8月14日。

  8 14 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…90.6mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…86.9mmHg(39±7)

このあと予定通り呼吸器科の先生の初診。 咳き込んだときのタンを採取してその培養検査をすることになる。 が、診察中にタンは採れず今日のところはタンを採っておく容器をもらうだけで終わる。次の外来は8月28日。

    28 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…72.5mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…85.1mmHg(39±7)

今朝は特にタンの切れが悪く、時間通りに病院に行くことが出来なかった。 午前中に母に受け付けだけ済ませてもらい、 私の症状が収まった昼過ぎ午後1時頃に通院するといったわがままをさせてもらう。 主治医の先生の手配で今後、午後に診察してくださるそうなのでお言葉に甘える。 あと移植以来長期に渡って服用してきたサンディミュンがマイナーチェンジしたらしく、より吸収性をよくしてネオーラルと名前が変わった。 量、回数など処方はこれまでと同じ。
次回の外来は31日で呼吸器科の先生の診察。以前提出したタンの検査結果を聞く。

    31 予定通り呼吸器科の先生の診察。以前提出したタンの検査結果を聞く。 タンには数種のばい菌が常時いるらしい。 通常、抗生物質を服用することになるのだが、私の場合、 過去にほとんどのもの(テオドール、エリスロシン、クラビット、バナンなどなど) を試しており特に効果を得ていないので処方を見送った。 去年の12月にも使ったことがあるが、インスパイアイースという吸入補助器を用いての吸入となる。 使う薬は気管支拡張剤メプチンで1日2回。
次回の外来は9月11日。内科と呼吸器科の2科受診となる。
  9 11 いつも通り外来だが呼吸器科と血液内科のダブル受診。 血液内科では血液検査、血液ガス検査を行い、特に変化なし。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…77.0mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…95.1mmHg(39±7)

呼吸器科での受診。先々週処方されたメプチンという気管支拡張剤だが 一週間ほどの使用後タンの出が余計ひどくなったように感じたのでやめていた。 今回の診察でかわりにトブラシンという薬をネブライザでの吸入を処方される。 一日一回の吸入で明日から試用期間の一週間ほど毎日外来で行うことになる。 かなり面倒臭いがこれもリハビリだと思ってやるしかない。
次の外来はさっそく明日。

    18 呼吸器科のみの外来。9月11日から15日まで連続してネブライザによる吸引をやってみたが、 特に変化もなく通院が苦痛なので調子が悪くなってまった。 吸入の処方は中断して様子をみる。 次の外来は9月27日。
    27 今日から呼吸器科との2科外来。 とは言っても呼吸器科の先生とは胸を音を聞いてもらう程度のことだが。 血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…63.0mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…88.8mmHg(39±7)

次の外来は10月11日。

  10 11 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…98.7mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…109.4mmHg(39±7)

次の外来は10月25日。

    25 いつも通り外来。血液検査、血液ガス検査、胸部レントゲン検査。 血液ガス検査(毎分2.5リットル酸素吸入時)の結果は以下の通り。


PO2(酸素分圧)…82.13mmHg(91±17)
PCO2(二酸化炭素分圧)…108.5mmHg(39±7)

次の外来は11月8日。

  11 21 推定午前8時、21世紀を迎える事なく戦死。

 

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