頭部外傷
(1)頭部外傷とは
- 種々の原因により、頭部に異常な外力が加わった際に起こります。
- 交通事故、転倒、殴打、転落、などによる打撲がおもな原因です。
- 乳幼児は頭部外傷の機会が多く、障害のされ方はおとなと異なるので、注意が必要です。
(2)頭部外傷の種類は
- 閉鎖性(頭部外表に創のないもの)
1)軽度
2)重症
- 軟部組織の損傷
1)頭皮の裂傷(こどもでは起こりにくい)
2)頭皮下出血(こどもでは”コブ”できやすい)
- 頭蓋骨骨折(こどもはくぼむような骨折が起こる。おとなのような線上骨折は少ない)
- 頭蓋内出血による血腫(小児では硬膜下血腫を生じやすい)
(3)症状は
- 外傷直後に症状の出るものと、数時間ないし数日後に症状の出るものがあります。
- 軽 傷:外傷後、泣き出して、嘔吐することがあるが、そのはかほとんど無症状。
- 中等症:外傷後、泣きだし、過敏状態、頭痛、悪心、嘔吐、めまい、軽睡傾向、軽度意識障害などをしめすが一過性である。
- 重 症:外傷後、生あくび、加工熱、低体温、瞳孔左右不同などの重篤な状態になり、除脳硬直状態からついに死亡する。
(4)緊急を要する症状は
- 外傷直後から、または意識清明な時期を経て、繰り返す嘔吐、けいれん、意識障害、麻痺、瞳孔左右不同、呼吸不整、高熱、低体温などの症状がみられたら、直ちに脳外科を受診するため救急車をよびましょう。
(5)検査は
- 強い頭部外傷は早期に脳外科医の診察を受けましょう。
- つぎの検査が行われることがあります。
頭部X線撮影 MRI(磁気共鳴映像法)
血管造影 脳波
髄液検査
(6)将来の見通しは
- 外傷の程度によっても異なりますが、こどもでは症状が重篤な場合でも、かなりの回復をみることがあります。
- 外傷後のてんかんの発生に注意します。
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