嘔吐
(1)原因は
- 消化器疾患(最も多い)
- 感染症:急性胃腸炎、虫垂炎、腹膜炎
- 通過障害:先天性消化管閉塞、食道噴門弛緩症、肥厚性幽門狭窄症、腸回転異常症、腸重積、ヒルシュスプルング病
- その他:胃炎、消化性潰瘍
- 心因性
- 中枢神経疾患
脳炎、脊髄炎、脳腫瘍、頭蓋内出血
- 内分泌・代謝異常
低血糖、アセトン血性嘔吐症、糖尿病性アシドーシス、先天性代謝異常、尿毒症
- 新生児では生理的にも認められます。
(2)嘔吐の特徴は
- 年齢により嘔吐をきたす疾患の原因や頻度が異なります。
- 噴水状か、無力状か、反復性かなども診断の参考になります。
(3)嘔吐の症状は
凝固しない乳汁 | 食道下部から口側の通過障害 |
胆汁流入 | 十二指腸以下の腸閉塞 |
糞臭 | 下部腸管の閉塞、腹膜炎 |
血液混入 | 新生児メレナ、消化性潰瘍、食道静脈瘤 |
コーヒー残 様 | 消化性潰瘍、アセトン血性嘔吐症、脳炎 |
(4)随伴症状は
- 消化器症状:腹痛、下痢、腹部膨満、便秘。
- 感染症状:発熱。
- 中枢神経症状:頭痛、けいれん、意識障害、麻痺。
(5)嘔吐したら
- 吐物による窒息や気管内誤嚥を防ぐため、顔を横に向けましょう。
- 嘔吐が長く続く場合には脱水防止のため水分(イオンあるいはアルカリ飲料、スポーツドリンクなど)を少しずつ与えてください。
(6)予防は
経口摂取特に固形物の量を減らし、"吐き気止めの坐薬"があれば使います。
(7)治療は
- 原因に対する治療が第一です。
- 対症療法として薬物療法、食事療法、輸液を行います。
- 毒物などの誤飲による嘔吐を止めてはいけません。
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