初めてのN矯正歯科はとてもゴージャスであった。
三つの個室に区切られていてそれぞれに一人掛け用のソファが置いてある。
そこに載せてあるひざ掛けはバーバリーだ。
造花の挿してある花器はアールデコ調、まさか本物ではあるまい。
爽やかなピンクの制服の歯科助手の方々もたくさんいる。
そんなわけでみかんは落ち着かずそわそわしていたら
「どうぞ、座っていて下さいね。」と言われた。
ソファで待っている間、渡された資料に目を通していた。
やはり気になるのはお値段。
永久歯のはえそろった大人向けとそれより幼い人向け2パターンと合わせて3パターンあった。
大人向けのものが最も安く、大体63万円から70万円だった。
他のタイプも100万円はしなかったように思う。
みかんはこれを安いなと思った。
通帳に36万円しかないくせに。
みかんの歯は前歯に問題がある。
右の前歯二つが重なってはえているのである。
数年前はさほどひどくはなかったのだが、いつの間にか完全な二枚歯である。
それを治したいという事をN医師に伝えた。
N医師は二つの方法を提示した。
一つは重なっている内の一本を抜くというもの、もう一つは完璧な矯正。
もちろんお勧めは医師らしく完璧な矯正であった。
しかし、みかん自身金に糸目はつけない心意気だったので
パーフェクトを目指す事に決まった。
それでも、安ければ安いほどいいな、なんて思うみかんは尋ねた。
「上(上顎)だけで済みますか?」
上顎の矯正のために歯を抜く事になりそうなので、それに合わせて下も抜く。
ゆえに、下顎も矯正を免れないとの事であった。
本日の矯正相談の料金、消費税込みにて3,150円也。
4月28日 基本検査
善は急げと二日後に再びやって来た。
前回も行ったのだが、基本検査として頭全体や顎のあたりのレントゲンをバシバシ撮った。
上顎、下顎の型も取った。
この型を取るのが非常に痛い。
みかんだけかもしれないが、型を取るための枠が歯茎の骨格にあたっていたからだ。
歯の治療より痛くて涙出た。
「施術前」の写真も撮りました。
上下の唇をガッと持ちあげてデジカメで。
或いは様々なアングルから。
カメラを向けられるとついつい笑ってしまったが後で見た写真は不細工だった。
これにはなかなかショックを受けたみかん。
それにしても矯正器具をつけるまでにはまだまだ困難がありそうだ。
基本検査料、消費税込みにて79,800円也。
これまでの料金 82,950円