背骨を正すと身体にどう影響するの?
背骨を正すと、関節の動きが良くなる・筋肉の緊張が調整される・神経の働きが良くなる・痛みが緩和されるなど、さまざまな効果が現れます。
カイロプラクティックは正しくおこなえば、無数の効果が期待できます。
ただし、どのような疾患にも効果があるわけではありません。
1.神経伝達障害のセオリー
  
 椎間孔は、神経・動脈・静脈・リンパ・軟部組織で満たされています。神経の占める割合は三分の  一程度です。そのため、背骨の異常が直接神経を圧迫することは容易ではありません。
 しかし、椎間孔内の静脈は非常に圧力に弱いため、椎骨の位置異常のためにわずかに椎間孔が変形す ると椎間孔内の圧力が高まり、静脈の変形を引き起こします。
 この状態(椎骨の可動性の減少)が続くと、静脈内の血漿は血管外に漏れ出てきます。その結果、軟 部組織中の組織液が増すことになって細胞は膨張し、椎間孔内の圧力はさらに増します。動脈、リン パにも圧力が加わり、さらに血漿、リンパ液の漏出が引き起こされます。
 このような過程の結果、神経が圧迫されて神経障害を引き起こすと考えられます。
2.神経反射のセオリー

 関節包には、関節の屈曲や伸展状態についての情報を感知する固有受容器(位置覚・運動覚:TypeⅠ・Ⅱ )が多く存在します。カイロプラクティックによる矯正により、これらの固有受容器を興奮させる(関節 包を伸張させる)ことで、近隣軟部組織からの比較的細い神経(TypeⅣ)によって伝えられる疼痛性刺激 が中枢神経系に達するのを抑制します。

 関節の固有受容器への刺激は、操作の標的となっている関節付近の筋に反射的に作用して、疼痛に伴う筋 スパズムの原因である運動神経の過剰なインパルスを抑制します。
 (TypeⅣ繊維は、α運動ニューロンに多シナプス性に結合しているため関節に異常が起きれば筋肉のスパ ズムが起きます)
 
 慢性腰痛のように、関節周囲の軟部組織に短縮が起きると関節の癒着が引き起こされます。関節の癒着は 反射性に筋肉のスパズムを引き起こします(固有受容器の繊維はγ運動ニューロンに多シナプス性に結合 しているため)が、矯正することで関節の癒着とともに筋肉のスパズムが解除します。
少し難しい話になってしまいましたが、カイロプラクティックにとって神経生理学は必須です。興味のある方は勉強してみては?