原因不明ながら、これまでの臨床データから、次の事が癌発生確率を上げているとの見方が強くなってきています。
①年齢:
癌が老化の一種と考えると、納得いきます。特に40歳以上で危険率が顕著に増大すると、多くの書籍には記述されてる様です。
②エストロゲンの供給過剰:
癌細胞の発達にエストロゲン(卵胞ホルモン)が必要であると、医学的に判ってきたそうです。書籍には、30歳以上で未婚である女性、初産が30歳以上の女性、閉経が55歳以上だった女性、等を乳癌になる確率が高い例として挙げています。これは要するに、エストロゲンが卵巣ホルモンである為、妊娠や授乳によって卵巣が活動を休止する程エストロゲンの分泌量が減少すると言う論旨に基づきます。
但しこれに対しては、乳癌とエストロゲンは無関係であると言う反論もあります。またエストロゲンは、月経時に分泌され、授乳中には分泌されないのですが、妊娠期間中も分泌されます。とすると、月経時の分泌量と妊娠時の分泌量は前者多量でないと論旨がおかしいのですが、あいにくそれを確認するデータは探し出せませんでした。
なお、子宮ガンも同様に、エストロゲンの供給過剰が原因で発生しやすくなると言われています。栄養と同じで、過ぎたるは及ばざるが如し、人間の体はバランスが大切なんですね。
③脂肪過多:
脂肪は癌誘起物質であるとの事です。特に、肥満が標準の+20%以上で危険率が顕著に増大すると、多くの書籍には記述されている様です。
④良性乳腺疾患の既往:
これは、何となく分かる気がします。
統計的には、元々白人女性に多く、日本では発生率は低かったそうです。しかし最近日本人にも乳癌が増えつつあります。と言う事は、日本人の体質としてではなく、環境変化(外的因子)に原因がある、即ち癌は後天的な病気と考えるのが自然です。
第1項「乳癌は基本的には解っていない病気」でも述べましたが、しかしその原因は不明なんです。蛋白質、動物性脂肪、ウィルス、化学物質、放射線、ホルモン、等の原因が挙げられています。それぞれは、上記の①から④の現象と、どう係わってきているのでしょうか?
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Dum |
豆知識
エストロゲン:
卵巣から供給される、女性ホルモン(男性にはない)です。長寿ホルモンと呼ばれるだけあって、多くの器官に良い影響を及ぼします。腺房細胞の増殖にも寄与します。閉経後も量は減るものの、皮下脂肪等に多く含まれるアルマターゼ酵素が、男性ホルモンをエストロゲンに変えて供給し続けます。
妊娠中は胎盤から供給され、射乳を止めています。出産により胎盤が放出されたら、授乳が開始されます。
皮下脂肪に蓄積されます。脂肪の過不足は、エストロゲンの過不足とも関係します。エストロゲンの過不足により、生理不順も起こります。エストロゲン不足で脳内神経伝達物質が過剰となり、血管拡張による拍動性偏頭痛が起こります。
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プロゲステロン:
排卵後に黄体に変化した卵胞から供給される、今ひとつの女性ホルモンです。排卵後の対応上昇は、これが原因です。脂肪を合成する作用がある。乳汁分泌を促進します。
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ピルは、上記の2つの女性ホルモンの混合剤です。これらのバランスで生理サイクルが制御されますので、ピルでバランスを変えて生理日をずらす訳です。副作用があるので、年間2回以内を目安にしましょう。彼女を愛していたら、彼氏はピルを余り使わせないでね。
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