光よりも速きことを求めて
〜アグネスタキオン〜



JUNのタキオン紀行・・・・・・タキオンと一緒に旅がしたい!!

20世紀から21世紀へ。
時代は移り、そしてまた、そこから新たな時代が始まろうとしている。
競馬界は、20世紀最後の年に、テイエムオペラオーという名馬を輩出した。
彼は、昨年度、出走したすべてのレースに勝つという離れ業を演じた。
誰もが彼の金字塔を称え、そして、今後、打倒オペラオーを果たす馬が出るのか否かに
その焦点が絞られた。

STOP the オペラオー!!
その答えを探して、時代は新世紀へと移る。

しかし、その答えを探すことにそれほど長い月日は必要がなかった。
21世紀は、始まって早々、とてつもない贈り物を僕たちにプレゼントしてくれたのだ。

その馬の名は、アグネスタキオン

タキオンとは、奇しくも、「光よりも速きこと」を意味する。
光よりも速きことを求め、彼は一体、どこまで駆け抜けていくのか?
彼の目にはオペラオーの背中が見えているのか?
それとも、夢は遥か、大いなる野望、世界制覇か?
いや、僕には実は見えている。
この時代を切り開き、日本の競馬の歴史を突き動かす彼の勇姿が・・・・・

このコーナーでは、そんな彼、アグネスタキオンに夢を馳せ、彼と共に、どこまでも歩いていこうと決意したJUNの“タキオン紀行”を展開して行きたい。
これからのタキオン
左前脚屈腱炎、発症の為、休養です。

1冠目・皐月賞(GI)を奪取した矢先の衝撃ニュースでした。

無敗の3冠馬の誕生を予感させ、これほど身震いするほど強さを感じさせてくれた馬はいなかった。
残念でならない。

管理する長浜調教師の「申し訳ない・・・」と言う言葉がグッとさせる。3冠を狙うと公言した師にとって、これほど無念なことはなかったはずだ。

ただ、なんかおかしいです。
だって、申し訳ないって、僕たちは感謝はしても、スタッフを責めたりする権利はないです。それよりも、夢を見させていただいた皆さんに感激いたしました。

あの“3冠宣言”は、本当に勇気がいったことでしょう。他陣営すべてを敵にまわし、マスコミやファンの期待という最大のプレッシャーを受けることを自ら、買って出た長浜師、素晴らしいですよ。
みんな、あのひとことで夢をもらったわけですから・・・

僕は、大きな夢や目標を語れる人たちが大好きです。
たとえ、無理でしょ・・・ と思われることでも、言い切ってしまえる凄さ。そして、言ってしまった以上、どんな批判も受けようじゃないかという頑ななスタンス。
かっこいいです。

そんなスタッフに支えられていたからこそ、タキオンの様な馬が出来たのかも知れませんね。
今は、落胆などせずに、また夢を追って、頑張ってください。大丈夫ですよ。夢はきっと続きますから。





血統表

アグネスタキオン サンデーサイレンス ヘイロー ヘイルトゥーリーズン  タキオンの母は、桜花賞馬、アグネスフローラ
 そして、そのフローラの母が、オークス馬、アグネスレディー
 ともに、河内Jを鞍上に、数々の栄光を築き上げた優駿である。
 これだけでも充分、すごい血統なのだが、
 だめ押しと言わんばかりに、タキオンの全兄は、アグネスフライト。
 昨年度のダービー馬である。

 そして、父は今をときめく、サンデーサイレンス。
 もう、何も言うことはない!
 まるで、ダビスタを地で行くような夢のような血統である。
コスマー
ウィッシングウェル アンダースタンディング
マウンテンフラワー
アグネスフローラ ロイヤルスキー ラジャババ
カズオーニジンスキー
アグネスレディー リマンド
イコマエイカン





初戦 新馬戦 12月2日/阪神競馬場/芝2000m 良馬場
着順 馬名 タイム 上がり3ハロン 馬体重  〜レース後の河内Jのコメント〜

前半は少し、ふわふわした感じの走りだったが、初めてのレースだから仕方がないだろうな。
動きたい時には、スッと動いてくれたし、追ってからは思った以上にいい脚を使ってくれた。
攻めよりも実戦に行っていいタイプ。
まだ、一戦しかしていないから兄(フライト)とは比較はできないけど、この馬もいいものを持っている。     
1着 アグネスタキオン 2分04秒3 33.8秒 500
2着 リブロートキャスト 3馬身1/2 34.6秒 542
3着 メイショウラムセス 1馬身3/4 34.6秒 440
4着 インビジブルタッチ 6馬身 35.0秒 464
5着 ボーンキング 1/2馬身 35.4秒 508

レースを観てのJUNの感想
出遅れ気味のスタートを切り、イマイチ流れに乗れなかったタキオン。
3コーナーあたりから次第に動き出し、4コーナーの手前からスパート! 最初はもたついたが、エンジンがかかってからの脚は桁が違った。
上がり3ハロン、33.8秒の驚異的な瞬発力を使って突き抜けた!
しかも、JUNが驚いたのはその後のタキオンの仕草。
彼は、ゴール前、耳を立てて、余裕のポーズで流した。
こんな動き、仕草は、あのシンボリルドルフを彷彿とさせ、“なんともふてぶてしい奴”という印象を持つに至った。只者ではない! そう直感した瞬間であった。




2戦目 ラジオたんぱ杯3歳S(GIII) 12月23日/阪神競馬場/芝2000m 良馬場
着順 馬名 タイム 上がり3ハロン 馬体重  〜レース後の河内Jのコメント〜

勝ち時計こそ遅かったが、初戦の上がりが速かったし、大型馬にしては瞬発力があるのが長所。
今日は前半、少し行きたがったが、すぐに落ち着いてくれたし、流れに乗って追走ができたからね。4コーナーでも手応えは十分だった。
4歳春だと兄(フライト)は、差し一辺倒だったが、この馬の脚質には柔軟性がある。
体に幅がでれば、年が明けて、まだよくなりそうだね。
1着 アグネスタキオン 2分00秒8 34.1秒 500
2着 ジャングルポケット 2馬身1/2 34.5秒 466
3着 クロフネ 1馬身1/4 34.8秒 514
4着 エーピーウィザード 5馬身 35.2秒 508
5着 マイネルエスケープ クビ 35.9秒 504

レースを観てのJUNの感想
スタート直後から、河内Jが後方に控える形。
おそらく相当、自信があったという感じで、道中もゆっくりと、決して慌てることもなし。
向こう正面で、若干、手綱を動かし、タキオンの反応を促す。というよりもタキオンに競馬を教えている感じ。
初戦よりも反応がよく、4コーナー手前では、最大のライバル、クロフネの真後ろに接近する。
そして、最後の直線へ・・・・・
あっさりと、そのクロフネを並ぶことなく交し去ったタキオン!後は自らの脚を誇示するかのような独演会!
最後は、初戦同様、耳を立て、フットワークはスキップを踏むかのように軽やかにゴール板を通過する。
上がり3ハロン、34.1秒。勝ちタイム:2分00秒8、レコードタイム!

そして、その時、JUNには聞こえた!
「待っとけ!オペラオー!」
タキオンの激しいまでの王者・オペラオーへの挑戦の台詞を・・・・・




3戦目 第38回弥生賞(GII) 3月4日/中山競馬場/芝2000m 不良馬場
着順 馬名 タイム 上がり3ハロン 馬体重  〜レース後の河内Jのコメント〜

下が悪かったからできるだけ馬場のいいところを走らせた。後は、なるべく前から離されないように気をつけたが、4コーナーを回ったあたりでは確信はもっていなかった。
これまでの強さに比べると今日は最後アップアップという感じだったしね。
でも、こんな馬場でもこなせたのは本番に向けていい経験になったんじゃないかなあ。
1着 アグネスタキオン 2分05秒7 38.2秒 492
2着 ボーンキング 5馬身 39.6秒 498
3着 ミスキャスト 2馬身 38.6秒 488
4着 マンハッタンカフェ アタマ 38.4秒 472
5着 ダイイチダンヒル 4馬身 38.7秒 448

レースを観てのJUNの感想
泥んこ馬場の中のレース。
不安な気持ちでレースを迎えたわけだが、河内・タキオンのコンビには影響なし。
実際のところ、道中、かなりフットワークがバラバラになる場面もあり、厳しいレースだったが、
河内Jの巧みな手綱捌きで、さして、厳しい場面には見せなかった。
さり気なく、外に出して事なきを得たタキオン、捨て身の先行策に出た武・ボーンキングの術中に嵌るかと思いきや・・・
そうはさせじと鞍上、河内Jが、武豊の作戦を見抜いた!マークするは武・ボーンと決め撃ち!
3コーナーから4コーナーにかけての攻防はなかなか凄いものがあったが、
最終コーナー手前で、ボーンキングの真後ろについたタキオン。
最後の直線は、無人の野をどこまでもどこまでも駆け抜ける。
まさに、タキオンの独奏、独演会!
すべての課題をクリアした河内・タキオンのコンビにもはや死角はなし。
光を超える走りは、光を遮った曇天の中でも色褪せることはない!
強さには絶対がある!
決して、能力だけで駆けたわけじゃない彼の意地の走り!
もう何も言うまい。
タキオン!
さあ、次はクラシック、先ずは1冠目、皐月賞だ!




4戦目 第61回 皐月賞(GI) 4月15日/中山競馬場/芝2000m 良馬場

着順 馬名 タイム 上がり3ハロン 馬体重  〜レース後の河内Jのコメント〜

4角までどのくらいの位置につけられるかがポイントだと思っていたが、途中でキツくなる場面があっても、それを何とかクリアしてくれた。
直線はいつもよりも手応えが怪しい感じがあったが、頑張ってくれた。
まあ、自分が思ったよりもピリッとしたところがなかったけどね。
期待の大きい馬で、まずは第一関門を突破できた。
この後、ダービーでもいいレースができるように持っていきたい。
1着 アグネスタキオン 2分00秒3 35.5秒 492
2着 ダンツフレーム 1馬身1/2 35.2秒 486
3着 ジャングルポケット 1/2 35.3秒 474
4着 シンコウカリド 1馬身1/2 35.8秒 514
5着 ダービーレグノ 1/2 35.3秒 450

レースを観てのJUNの感想
1コーナーに入るまでに、窮屈な位置に入ってしまい、危ない場面があったが、
そこをクリアしてからは、先行集団につけた位置取りの利点もあり、
ほぼ、スムーズなレース運びができた。
多頭数、馬場の悪さ、ゴチャつく小回りコース、馬群に揉まれる展開など、中山の皐月賞(GI)というのは、
ある意味、ダービーや菊花賞よりも厳しいレースである。
そんなコースで、タキオンは、どんなレースをするのか?
しかし、河内Jはじめタキオン陣営に一点の迷いもなかった。
タキオンを信じ、自分自身のレースをすることだけ。
そして、もうひとつ。
王者としてのレースをすること。
正攻法で、すべての挑戦を真正面から受けて、打ち負かす。
王者になる者だけに与えられる最大の試練、そして、それを乗り越えられる強靭な精神力。
そのすべてをクリアしようとしたタキオンのレースぶりが苦しいものに観えたのは仕方がない。
だって、彼は、他のどのメンバーも感じ得ない大きな試練にも立ち向かっていたのだから。
そして、勝った!!
しっかり、勝った。
1冠目・皐月賞(GI)を奪取。
夢はまた、つながったのだ。さあ、次はダービー・・・
いや、もうそんな勲章はいらない。
光を超えようとする、彼の孤高の走りが始まったのだ。

そのはずだったのに・・・
突然の神の悪戯が彼を襲う。
左前脚浅屈腱炎、発症。
何もかもが崩れ去った。
夢も希望も・・・

僕もそう思った。
でも、彼の翌日の新聞紙上に載った表情は特に変わってはいなかった。
Gallopで見た表情も以前の彼と変わらない。
そうなのだ。彼は変わっていない。
だから周りの人間も変わってはいけないのだ。
馬、特にサラブレッドは、人間の意志を感じ取ることに敏感だ。
彼を取り巻く人たちが諦めてしまったり、落胆の表情を見せれば、彼は敏感に察知するだろう。
そしてファンである僕たちも、決して彼の復帰を諦めてはいけない。
復帰の道は正直厳しい。
でも、タキオンが進む道を阻むことは誰にも出来ない。
彼の気持ちが前向きなものであるなら、僕たちも前向きに。
彼が苦しんでいるなら、僕たちは何か出来ないかと、もがいてみようよ。
そして彼がもう一度、戻ってきた時、万感の思いで彼を迎えようじゃありませんか。
その時まで、「がんばれ タキオン。ゆっくり待ってるよ」

あ JUNが一番、感じたことを伝えなくちゃね。
誰が何と言おうと君が史上最強馬だぜ。