前の会社で新潟にいた頃、代理店の所長でシングルプレーヤーがいた。

彼は親切で、教え方もうまいので、みんな彼と一緒に回りたがっていた。

勿論、お客も含めて。彼は、実務は部下に任せ、もっぱら有力店の店長に

ゴルフを教えるという営業をすることとなった。

結果は、抜群の効果があった。中間マージンを省くというのが当時からの

有力店の考え方の主流であり、代理店のシェアが伸びるということはあり得ない

ことだった。

ゴルフにこんな力があるとはと本当に驚いた。

それから何年経ったことだろう。マレーシアへ行くこととなった。

ゴルフ代は、¥2,500〜/ラウンド 練習場代も ¥2〜/ball という価格、そして他に

遊ぶ所もない、日本のテレビはNHKのみという環境が待っていた。

よし、ここは一発 気合いを入れて練習して、あの時の所長のようにゴルフを教えて

営業をしてしまう究極の営業マンを目指そうと密かに決意したのがことの始まりである。

それまでも、たまにはやっていたが、最高でも年8回。

そうかこれか?!何枚こぼれるんだ目からウロコ

クラブハウス入口で土下座をするというバツゲームのある同期コンペ直前一週間は猛烈

練習したりした。

その頃のベストスコアーは93だった。

勿論、簡単なコースだったが、今思ってもなかなか優秀なもんだと思う。

というより進歩がないということなのだろうか?

マレーシアではほぼ毎週ラウンドした。1月4回、1年48回のラウンド数。

日本での最高記録の6倍だ。

練習だって週に3回はやっていた。球数も多く、300球以上打つこともしばしばあった。

マレーシアのコースは日本に比べ、10〜15%ほど距離が長いこともあり、赴任当時は110前後

打っていた。

ボクの勘違い  えーそうだったの?!

練習すればうまくなる、うまくなるために練習をしているわけだが、やればうまくなると思うのは

間違いだということを段々思い知るようになる。力が入りだし、球の上を打ったり、ダフったり

は勿論、右へ左へと大暴れ、どこを狙っているということもなく、ただ大汗を流し、ストレスを溜める

日々が続いた。ストレス解消にゴルフをするというのはウソだ。

やればやるほどストレスが溜まる。練習から帰ってきて、不機嫌では家族もたまったものではない。

そういうのはカッコ悪いから、そぶりを見せないようにしてはいるが、どこかで出てしまっていたの

ではないかと思う。

そんな状態でも、たまに歯車が合い、90台が出るようになるが、また110打ったりもする。

根本的に正しい打ち方が分かっていないのだ。

そこで1度お金を払い、練習場で1時間のレッスンを受けた。

気合いは入っているものの、所詮遊びのゴルフだ、それにお金を払い教えてもらうということは

遊び人の風上にもおけない恥ずかしいことと思っていたボクにとっては苦渋の選択だった。

グリップからなにからすべてを直されたような気がする。まったく違うものだった。

違うものを大汗流して、ストレスを溜めながらやってきたのかと思うと情けないものがあった。

その頃、必死に間違った練習をしていたお陰で、今でも悪いクセとして残ってしまっていることが

ある。ここのコーナーでは、これからゴルフを始める人に、またなかなかうまくならない人に

ボクが陥った勘違いをお話して同じ過ちをしないで済むように協力できるようにしたいと思って

いる。だからゴルフやろうね。

すぐ忘れちゃうからメモっとこう

レッスンは1回だけだったが、それから順調に上達し、2ヶ月後には80台が連続して出るように

なった。コンペでも優勝したり、なにかは貰って帰ってくるという時期があった。

第一次黄金期だった。

そうだったのだ。

なにかが狂いだし、その調整のためまたなにかが狂いだす。

肘を傷めた人が肘をかばって手首や肩を傷めるのと同じように、小さな勘違いがもう少し大きな勘違い

を作り、いつのまにか致命的になっていく。

きっとシングルの人もそういう過程を経ながらやってきたのだろう、多分。

現在も月2回のペースでラウンド、練習はほぼ毎日(100球)を続けている。

また、基礎からのやり直しばかりだ。

幅の狭く、距離があまりない日本のコースでOBを4発出し、90台というのが今の平均的な姿である。

OBをなくし、まずは80台で安定し、シングルを目指し、県アマにも出るという壮大な目標に向けて

今日もシコシコ練習に励むつもりだ。

だいたい人が陥る勘違いというのは似ているものだと思う。

ボクの勘違いがお役に立てることもあるかも知れない。

例えば球をうまく捕らえられない時、よく軸がぶれていると言う。

でも軸はたくさんあるし、ぶれない軸の作り方が分からない、だから軸がぶれるのだ。

軸をぶれないように意識することは難しい、どうすれば結果的に軸がぶれ難くなるのかを意識した方が

体がスムースに動くものだ。

ボクなりの感覚で意識し始めたことを少しづつここのコーナーに追加していくつもりだ。

ただ、内容についてはまったく保証できない。まったく違うことを言い出すこともあると思う。

不思議に思ったら、近くのうまい人に聞いて下さい。

それで、ボクにも教えてね

さー第二次黄金期よ早く来い。