Ice Ninja
忍者
 道具・装備(2)


2008年6月、ついに憧れの「GOLD SEAL」を入手した



 円高を利用して、個人輸入で安く購入できないものかと探したところ、
サンフランシスコに通販店があり、日本語もサポートされていたので
そこで購入することにした。
日本では、「GOLD SEAL」はここ最近かなり値上がりしているので
ちょっと手が出ないと思っていたが、アメリカの販売価格なら
送料と関税を支払ってもかなり安い。
靴は、サイズの問題もあるので考えたが、リスクを考えても安いと
思ったので購入に踏み切った。
使い始めて、ほぼ3ヶ月でやっと実用的な状態になった。

GOLD SEAL

このブレードは、本当に使ってみたかったものだ。
このブレードの特徴は、
・ロッカー・ラディウスと呼ばれる刃の底面の円周半径が
 8フィートでコロネーションACEの7フィートよりカーブが緩く直線に近い。
 パターン99も8フィートで同じらしい。
・側面をほんの僅か削いであって、エッジが真下ではなく
 外側に向けたような効果があると思う。
・ブレードの太さが後方になるほど細くなっている。
 これを「テーパード」形状といい、このタイプのブレードは、
 側面を削いであるということだ。


今まで、コロネーションACEだったのだが、特性がだいぶ違う。
実感できるのは、
・深いエッジに乗りやすく、無段階にかなりの角度まで体を傾けられる。
 コロネーションACEの時は、一定の角度を過ぎると滑走に抵抗が出たり
 グリップが弱くなる感じがあった。
・ジャンプのアプローチカーブに入るのに、減速せずに適切なカーブに入れる。
 コロネーションACEのときは、高速でアプローチに入るとカーブし過ぎるので
 直線に近いカーブから瞬間的にジャンプするか、速度を落とす必要があった。
・ロッカー・ラディウスの影響でターンなどの動作を練習し直す必要があった。
 特にバック・スリーターンなどの基本的な動作が難しくなった。
 ループ図形もかなり難しくなった。
・バックの滑走が伸びる。
 いつも通りの感覚でバックしているとスピードが出過ぎて前の人に
 ぶつかりそうになったことが何度かあった。
 また、バック滑走に関してカーブしやすいと思う。
ロッカー・ラディウスが一番手こずる要因だと思う。適切な滑走カーブというのが
一回り大きくなるので、大回りしないとエッジをコジてしまい今まで通りのやり方では
きちんとターンできないのだ。大回りして、その分体を傾けなければならないので
体全体の機敏性とそれをこなす筋力が要求される。
上級者向けといわれるのは、こういった点にあると思う。
慣れてくると大回ししなくても重心位置の精度を高めることで従来のコースを
滑走してほぼ同じ動作が出来るかもしれない。
 高速にジャンプのアプローチに入れるのは非常に良くて、その分楽に高さが稼げる。
浮き上がり感がコロネーションACEと全然違う。
側面を削いだ形状は、深いエッジに乗りやすくするのに大きく役立っていると思う。
こんなに滑らかに体を傾けられるのは、何とも不思議な感じ。
あるプログラムでカートブラウニングが、もの凄く深いエッジに乗って滑走していたのを
見て、テクニックなのかと思っていたけれど、GoldSealの滑走感とその演技の感じとよく似ている。
後方ほどエッジが細くなっているのは、バック滑走でカーブすることの助けになる。
ルッツのバックのアプローチカーブに乗りやすいと思う。
 一方、フィギュアの乗り位置より前方の、主にスタンド・スピンで使用する湾曲の強い部分は
コロネーションACEと全く変わらない特性だった。

Riedell Gold Star 375

 通販で、靴を買うのは、サイズリスクがある。
一般的には、表示サイズより小さいことが多いと聞くので、やや大きめにすることにした。
小さすぎて足が入らないと使えないので、大き目にするしかない。
自分の足は、26cmなのだが、注文できる靴のサイズは、0.5インチ間隔になる。
10インチが、25.4cmで、10.5インチが26.67cmなので10.5インチを選んだ。
しかし、実際に買ってみると、かなり大きかった。

後で分かった事だが、ライデルの靴のサイズは、インチではなく換算表が出ていた。
26cmなら、10と3/16インチ=25.87cmでサイズ8になる。
確かに、サイズ10.5は、11インチで約28cmになる。

以前買った、マルジュウの靴も足形を取って作ったのだが、大きさは28cmくらいに
感じたが、今回の靴も形状といい大きさといいとてもよく似ていると思った。
   確かに、靴のグレードと足首を曲げやすくするV時カットが入った点など
   似たような靴を買ったつもりだが。
 今回、靴を買うに当たり、経験から靴は大き目でも何とかなるだろうという
見通しがついていた。マルジュウの靴で一番の不満の原因は、滑走する際に
フィギュアの乗り位置と感じられるスイート・スポットがなかったことだ。
今回、この原因がブレードのサイズが大きすぎた点にあると確信していたので、
ブレードのサイズを以前使用していたサイズにしたのだ。
成長期の子供の場合、少し大きめの靴にして・・・
と考えがちだが、フィギュアスケートの場合、前方の支柱の辺りにフィギュアの
乗り位置があって、そこから前の刃のカーブが急になっている。
この変曲点を足指の根元辺りに合わせないと正しいエッジワークが出来なくなる。
もし、大きめの靴にして刃も大きくすると、この変曲点が前に来てしまい、
ターン、ジャンプ、スピンなどに支障が出る。

ブレードのサイズは、靴に合わせるのが常識だと思うが、自分の発想で
足に合わせることにした。
ブレードの取り付け位置は、以下の写真のようになった。



前後位置は、仮決めしてスイート・スポットの位置を基準にして
3回目で良い位置を探り当てた。
ブレードをつま先に近づけると、ほとんどカーブ出来なくなり、
フィギュアの乗り位置に体重をかけるのに体重を前に乗り上げるように
しなければ乗り切らなくて、その位置が高く感じられた。
実際は、そんなことはないのだが、つま先が上に上がっているような感覚。
 この靴は、前の靴より若干軽いものの、重さはそんなに変わらない。
重く感じたのは、スイートスポットが無く、氷をうまく押せなかった
というのが一番の原因ではないかと思う。
前の靴は、靴の内部形状からして、足先を反らして足の裏の筋肉を
伸ばし切った状態で収まるようになっていた。
今の靴も基本的には変わらない感じだが、ブレードの取り付け位置で
随分とフォローできている。
踵が低く感じたのもそういうことで、踵の高さを高くするというよりも、
つま先の体重をかける位置を踵に近づけることが重要なようだ。
 外国の靴は、日本人の足に合わないと言われるが、確かに土踏まずの
ところが盛り上がっていて余計な出っばりに感じる。
これは、先を丸くした直径3cmくらいの棒をその部分に当てて
木槌で叩いて柔らかくしたらすぐに気にならなくなった。
今回、新しい靴を慣らすのに、予想通り3ヶ月くらいかかった。
一週間に一度の滑走でこれくらい。毎日滑る人ならもっと早いだろう。
靴を自分の足に合わせなければならないのだが、靴が固くて靴に負けてしまう。
そこで最初の1週間は、とにかく足首を抵抗無く曲げられるようにするため
朝晩、スケート靴を履いて屈伸運動をして柔らかくした。
それでも、本当に柔らかくなるには、3ヶ月くらいかかった。
 2ヶ月目くらいで、だいぶ慣れてきた時、踵が低いように感じるようになった。
そこで、5mmのゴムシートを踵に入れたら、フィギュアの乗り位置から
通常滑走の土踏まず近辺の体重移動がとても楽になり、姿勢も安定した。
よく、ダプル・ジャンプが跳べる靴、などと宣伝文句があるが、
良い靴は、踵の高さなどうまく出来ていて、姿勢を作ってくれると思う。
このライデルの靴もそういうところがあり、前の靴で曖昧になっていた
トウ・ループを降りたランディング姿勢で、足にキッチリ重心が乗った
という感触が得られた。
 今の靴は、フィギュアの乗り位置にしている部分が、前方の平らな
部分ではなく、土踏まずの傾斜の位置にかかっている。
踵を5mm持ち上げる必要があったのは、多分このためだ。
本来は、平らな部分にフィギュアの乗り位置を合わせる筈だが、
今の靴でそれに合わせたら、足首も曲げにくくなる。
結局、つま先を空けて踵を詰める感じにせざるを得ない。
足がつま先に行き過ぎないように、つま先のヒモを強く絞めて
ブロックした感じにしている。
 高価なクッション性の高い靴は、ヒモを強く絞めるとゴムのように
足を締め付けて血流を阻害する。
これによって足の裏の筋肉が吊ったように痛くなる。
だから、どうしても新しい靴はヒモを緩くせざるを得ない。
 このライデルの靴は、靴底に不要な緩衝材は入っていないし、
靴底の摩擦も十分確保できているので、その点は良かった。

靴の幅

日本のスケート靴販売店のサイトを見ると、○○社は日本人の足の形に合った云々
を売り文句にしている。しかし、幅のサイズも選べるのでそんなに問題ないのではないか。
スケート靴の裏側によく、"AAA"といった刻印がされていてなんだろうと思ったら
これがスケート靴の幅を意味する記号だったのだ。
細い←AAAA、AAA、AA、A、B、C→太い
ということだ。
ライデル製では、女性用にのみこのサイズが使われていて、男性用や子供用は、
Narrow、Medium、Wideで選ぶようだ。
ちなみに、靴の幅は、単に幅ではなくて、足の胴回りの寸法を測る。


余談

 ブレードでは、パラマウントという変わった形状の軽そうなブレードがあり
どんなものか気になっている。実物も見たことはあるが、自分で使ってみないと
分からないものだ。
 ジョン・ウイルソンにも気になるものがある。
マジェスティックという奴だが、コロネーションACEと同じ価格帯で
オールマイティーらしい。何が違うんだか。

スケート靴は、白と黒で地味だが、こんなのはいかが?

TYPE 1

TYPE 2


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